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車山積雪状況・雪の結晶

2023.01.28

例年に比べ少ない積雪ですが、昨日夜から朝にかけて10~20センチ程積雪がありました。
降雪直後、休日の車山周辺には多くの人が足を運んでいました。

車山へむかう登山者たち
<車山山頂へ向かう登山者>
車山湿原の入り口
〈車山湿原の入り口〉

気温は朝9時(センター前)で約−11℃。
太陽は時折出ていましたが、もこもことした暗い雪雲が次々と流れていました。風が吹くと体感温度がぐっと下がるような気象状況でした。

車山山頂と丸い形の大きな雲
<気象レーダードームのある車山山頂>

木々を纏う霧氷は、太陽が時折現れ日が差すと白く輝いていました。
木々の上についた雪は、風で舞い上がり雪煙に…。風が強そうです。

木の枝が白くなる霧氷
<車山北側斜面の霧氷>

雪と言えば、先日、美しい雪の結晶を見つけました。
はらはらと舞う雪が、車のシートに落ちていったのですが、よく見ると、はっきりとした6角形の雪の結晶がたくさん!

黒い布の上に落ちた白い雪の結晶
<雪の結晶>

同じ形のものはないと言われるように、じっくり見ると少しずつ形が違い、夢中になって眺めてしまいました。

雪の結晶
<ビーズのような形の結晶>
雪の結晶
<いろんな形が楽しげです>

溶けていって消えてしまう儚いイメージの結晶ですが、雪の表面をすくってみると綺麗な形の結晶がたくさん残っていました。気温の低い霧ヶ峰ならではかもしれません。

舞い落ちるような雪もあれば、ブリザードと言いたくなるような、強風によって雪が巻き上がる現象もあります。

雪の世界は綺麗なばかりではなく、時には恐ろしさも感じます。
地吹雪によって、周りの景色が一瞬で見えなくなるホワイトアウトは霧ヶ峰(特に車山肩周辺)ではよく起こります。運転時や歩いている時も、周囲の様子に注意を払う必要があります。


さて、今回のブログには冬のヒット曲にちなんだ言葉をちりばめてみました(80年代、90年代、2022年)。雪の世界は表情豊かで良い題材にあふれていますね。

冬の霧ヶ峰にも、感性が刺激される自然がたくさんあります。そんな自然を体感すると、きっと新鮮な感動に出会えるはずです。
安全に気を付けながら楽しんでください。

八島・車山積雪状況とウサギの大跳躍

2023.01.09

新年初のブログです。
2023年もどうぞよろしくお願いします。

昨年末に降った雪は少し溶けていますが、スノートレッキングを楽しめるほどには積もっています。

真っ白な雪原
〈八島ヶ原湿原〉

八島ヶ原湿原は、広場まではスノーブーツだけで歩けますが、木道上は圧雪されているため、チェーンスパイクや軽アイゼンを付けていた方が安心です。
今のところ木道と木道の間には隙間があるので、スノーシューだと少し歩きにくいかもしれません。

この写真を撮影した日は日差しがあり比較的暖かく感じましたが、日中は氷点下を少し上回る位の気温が多いです。

植物はドライフラワー状態になったものも。

丸い形をした植物
<長い茎の先に丸い形>

この植物は、ハバヤマボクチという植物で昨年投稿したブログでも紹介しましたが、開花時期は異彩を放つ見た目をしています。
今の時期は、オレンジ色でふわふわした様子です。温かみがあって、開花している時との違いがまた面白いです。

代わって車山周辺の情報です。晴れた日の休日は車山肩が満車になる程の混雑ぶりです。

駐車場の様子
<車山肩駐車場>

登山道は圧雪されているため、アイゼンでもスノーシューでも歩くことができます。

雪に覆われた登山道
<車山肩から車山湿原へ向かう道>
快晴の空と雪山
<スキー場のコースがある車山>

スキー場も賑わっていて、冬の霧ヶ峰は楽しみ方がたくさんあります。
人だけでなく動物たちも賑やかに活動しているようです。

たくさんの足あと
<たくさんの足あと>

こちらは前回のブログでも紹介したノウサギの足あとです。
あっちにいったりこっちにいったり足あとがたくさん!
別の場所では、こんな足あとも発見しました。

大きな足跡
<大きな足あと>

足あとと足あとの感覚が2~3mほどあり、はじめはニホンジカかと思ったのですが、こちらもノウサギのようでした。ノウサギの体長は50㎝程。凄い跳躍です。
どうしてこんなにジャンプしたのでしょうか。
敵に狙われたから?ではどうしてすぐ隣にも同じ位置に跡があるのでしょうか。
二匹同時にジャンプしたから?
答えは分かりませんが、走るのを練習していたり、遊んだりしていたのかもしれません。
遊びは動物、特に子どもにとっては生きるために必要な要素の一つです。

私たち人間も、楽しく遊ぶ時間を大切にしたいですね。
卯年の2023年、皆さんにとっても跳躍する年でありますように。

霧ヶ峰積雪状況

2022.12.28

寒波の影響でホワイトクリスマスになった霧ヶ峰。
降り積もった雪は、場所によって異なりますが40~60㎝位です。

青空と雪山
〈車山肩から見た車山山頂方面〉
雪に覆われた山々
〈中央右の雪原は八島ヶ原湿原。その奥は鷲ヶ峰〉

車山肩のなだらかなピークからは、白く覆われた八島ヶ原湿原、鷲ヶ峰が見えます。その先に見える北アルプスの山々も真っ白に輝いています。

晴れると照り返しが眩しいので、サングラスは必須です。
雪山では日焼け止めもしていないと真っ黒になってしまいます…。

一面の雪
<車山肩から車山湿原へ下る道>

写真を見てもわかるように、遊歩道脇の杭は雪でほとんど見えません。これくらい積雪があるとツボ足(かんじきなどを付けずに歩くこと)では、膝上まで潜ってしまいます。
車山周辺は積雪量が多いので、スノーシューで歩くのがおススメです。
アイゼンでも歩けますが、踏み跡を外れると雪の下に潜ってしまうので気を付けてください。

冬の時期のコースマップや道路状況、トイレの場所などについては、「冬の霧ヶ峰」のページをご覧ください。こちらにも書いてありますが、霧ヶ峰には冬でも立ち入れない場所があります。

一面雪に覆われた霧ヶ峰
<2022年3月撮影>

この写真は2022年3月に撮影したものです。中央の広い雪原に引き寄せられてしまいそうな地形ですが、中央部分は湿原です。
霧ヶ峰にある3つの湿原は希少な植物が生息する高層湿原で、国の天然記念物に指定されています。
湿原は植物の命を育み、湿原を通じて地中へ浸透した水は地域の水源としても利用されます。

<車山湿原のザゼンソウ>

このため冬でも湿原内へは許可なく立ち入ることはできません。八島ヶ原湿原と車山湿原は
ピンクテープを貼った竹竿を設置していますので、内側へは入らないようお願いします。

湿原内につづく踏み跡
<湿原側(この写真では右側)に足跡が多くついていましたが中には入らないようお願いします>
雪が積もっている駐車場
<12月27日時点の車山肩駐車場>

霧ヶ峰に来られる場合の注意点ですが、冬場は駐車場に停められる台数が限られます。また除雪されていても雪にはまってスタックする方が毎年多くいます。
スタッドレスなど滑り止め以外に、チェーンやスコップが必要な場合がありますので、駐車の際はご注意ください。

最後に、センターの前にこんな足あとがありました。

雪の上に足跡
<雪の上に足跡>

前々回のブログでも紹介しましたが、これは何の動物の足あとでしょう。ヒントは霧ヶ峰の草原で暮らす草食動物。冬場、ササなどの草が雪に埋もれてしまう場合は、樹皮なども食べます。

ほぼ答えになりますが笑、2023年の干支です!

センター周辺にも生息していますが、やはり冬は人や車の動きが少ないためか建物の周辺にも足あとがよく見られます。

さて、2022年も多くの方にブログをご覧いただきありがとうございました。
来年も様々な自然情報をアップしていきますので、来年も是非ご覧ください。

空からの贈り物

2022.12.14

いよいよ冬がやってきました。
12月13~14日にかけての積雪は8~10cm程。また14日朝の最低気温は-5.5℃(センター前)でした。

歩道と草原に雪
〈センター前の園地〉

辺り一面白い雪の世界を見ると、冬の始まりを感じてわくわく…。
どの季節もすばらしい霧ヶ峰ですが、個人的には、あっという間に景色が一変する冬が一番わくわくします。
また、冬らしい寒さを体験できるのもこの時期ならではですね。この日の気温はまだ暖かい方で、この先真冬になると最低気温が-20℃を下回ることもあります。

霧ヶ峰には、モミやツガ、ドイツトウヒなどの針葉樹が生えているのですが、雪景色になるとサンタクロースやそりを引くトナカイが住んでいそうな景色です。

木々に雪が被る
<雪に覆われる木々>

間もなくやってくるクリスマスにピッタリですね。木の下には、こんな小鳥もいました。

木にとまる小鳥
〈木に止まる小鳥〉

エナガです。
北海道では亜種のシマエナガが生息し、眉班(目の上の黒い部分)が無いため真っ白で、アイドル的なかわいさと人気ですが、こちらのエナガもとっても可愛いです。
木に止まって雪をついばんで水を得ているのでしょうか。
「じゅりりりり…」という鳴き声が特徴なので、聞こえてきたら近くを探してみてください。

さて、クリスマスと言えば、センター近くにある霧ヶ峰スキー場のオープン予定日が、2022年12月24日(土)。

スキー場
〈霧ヶ峰周辺にはスキー場がいくつも。写真は霧ヶ峰スキー場。〉

今回の雪で少し積もりましたが、これからますます雪が増えることに期待です。
霧ヶ峰スキー場は初・中級者向けで、駐車場が目の前にあるのでファミリーに利用されることが多いゲレンデです。そりなどで遊べる場所もあるので、クリスマスは家族揃って霧ヶ峰で過ごすのもおススメです。

空からの贈り物は雪だけでなくこんな光景も。

ハロ
<センター前で撮影>

太陽を中心にいくつもの光が取り囲む不思議な光景。
円を描いている光はハロと呼ばれる虹の一種で、空気中の氷の粒に太陽の光が屈折しておこる現象です。

ハロの説明

太陽を横切るラインが「幻日環」。それが「内暈」と重なり合うように光る部分が「幻日」です。
内暈の上部にはアークが接しています。
ハロを目にすることはありますが、こちらはなかなか珍しい現象です。

厳しい寒さがやってくる冬は、ダイヤモンドダストなどの美しい現象を目にすることもあります。
こんな光景を目にすることができたらラッキーですね。

最後に、霧ヶ峰周辺道路は除雪されますが、現在(12月14日)は凍結・圧雪状態です。
滑りやすく、風が強い時は吹き溜まりができ、舞い上がった雪で一瞬ホワイトアウトにもなります。

十分に気をつけて安全運転でお願いします。

霧ヶ峰路面状況(2022.12.7)と冬の楽しみ方

2022.12.08

12月6日、7日に数センチ程雪が積もりました。

木々の霧氷と雪をかぶる山
〈車山周辺の霧氷〉

車山の樹叢の木々は白く、後ろに見えている蓼科山も白いですね。
霧ヶ峰の登山道周辺の様子は、定点写真のコーナーにアップしたのでそちらもご覧ください
(不定期で更新しています)。

日なたの雪はすぐに融けそうですが、日陰の雪は春まで融けない場所もあります。

路面にうっすら積雪
<路面状況>

この写真は12月7日に撮影した留塚から沢渡間の路面ですが凍結していました。また霧ヶ峰キャンプ場近くの坂や車山肩周辺でも凍結していました(朝晩は特に凍結しやすいです)。
このようになると、ノーマルタイヤでは走行しない方が良いです。スタッドレスタイヤなどを装着し、運転にはご注意ください。

昨年は12月上旬から根雪になる位の積雪がありましたが、今年はまだのようです。
近年は積雪が少ない年も多いのですが、昨年のように150cm程積雪があると壮大な雪景色に圧倒されます。

雪で半分埋まる鳥居
<車山山頂の車山神社鳥居(昨年の様子)>

見るものすべてが夏とは違う霧ヶ峰の冬。
冬の霧ヶ峰の楽しみ方を少しご紹介します。

雪で白くなる木々と山小屋
<車山肩(以前撮影したもの)>

雪が降るとドイツトウヒやモミなどの針葉樹が雪に覆われて幻想的です。
まるで北欧のようですが、麓の町からわずか30分ほど車を走らせると、別世界に訪れたかのような世界が味わえます。
そして昨年は雪が多かったので、雪原から車を見下ろせて不思議でした。

雪原と雪道
<センター前の道路(昨年の様子)>

代わって、自分自身も車で走っていると数メートルもありそうな雪の壁が…。規模はもちろん違いますが、立山や乗鞍で見る雪の壁を思い出しました。いろんな体験ができるのが雪山の世界ですが、雪崩や地吹雪など怖い面もあります。自然を恐れつつも、豊かな恵みを堪能すべきですね。

そして雪がたくさん積もっていなくても楽しめるのが動物の足あとです。
こちらは何の足あとでしょう?

人の顔のような足跡
<だれの足あと?>

センターのブログでも何度か紹介しているので過去のブログも見てみてくださいね。
地面が見えていた時は何もなかったところに、少しでも雪が積もると見えてくるのが、足あと。
いろんな動物たちがあちこちで歩いているんだ、とその姿を想像するのが楽しいです。

さて、冬の霧ヶ峰の楽しみ方にについては、長野県諏訪地域のコミュニティFMラジオ局LCV-FMの番組でもご紹介予定です。

LCV-FM「それなり電鉄」
12月17日(土)24:00~25:00、再放送12月22日(木)19:00~20:00

LCV-FMさんは、諏訪湖ラジオランチという番組で3週に1度「高原の季節だより」という番組に
出演させていただいているのですが、そちらとはまた違う雰囲気のバラエティ番組で面白かったです。今回は曲をリクエストさせていただいたので、雪山にちなんだ曲をお願いしました♪
ネットでも聞けますので聞いてみてください。

令和4年度もありがとうございました

2022.11.17

木々は葉を落として草原全体は枯草色、曇り空は冬を思わせる、そんな景色の霧ヶ峰です。
昨日朝に降雪が少しあったのですが、直ぐに溶けて無くなりました。

茶色い草原と雪をかぶった山
〈草原と冠雪した八ヶ岳〉

本格的な冬を迎える前のこの季節、霧ヶ峰自然保護センターは11月15日で今季の営業を終了しました。
リニューアルした今年度は多くのお客様にお越しいただきました。

センター外観
<センター外観>
テラス
<テラス>

新設したテラスで休憩される方、体験型の展示を楽しんでいたご家族の方、センター手作りの塗り絵を塗って手渡してくれたお子さん、霧ヶ峰の自然について様々な質問や意見をいただいた方。

センターを利用していただいた皆様、本当にありがとうございました。

私たちは自然を大切にする気持ちとともに、「人」も大切にしたいと考え日々業務を行っています。
これは今回リニューアルした展示にも言えることなのですが、ここで新しくなった展示について少し紹介します。

センターは1973年、今から50年程前のビーナスライン開通後に開館しました。
開館当初から地形模型やパネルなどの展示はありましたが、当時の写真を見ると、現在は多数収蔵している動物のはく製が写っていませんでした。

センター内部
<開館当初のセンター館内>

年数とともに、哺乳動物や鳥類のはく製は少しづつ増え、キツネについては改修前に7体ほど展示していました。

改修にあたり過去の資料を調べてみると、あるキツネはセンターの近くで倒れ亡くなっていた個体(おそらく交通事故)を展示として活かすため、はく製にした旨が記されていました。
また、霧ヶ峰の草原に生きるキツネを、「霧ヶ峰について語る主役として使いたい」という職員の考えも別の資料に記載されていました。

キツネは状態が良く、かつての職員の思いが感じられた上記のキツネも展示用に選びました。
またキツネは、野生界では捕食者であり、かつ人間の生活に近いところでも生活しています。
そこで、人との関りについて伝える展示として別のキツネを使用しました。

キツネのはく製
<雑食のキツネは鳥なども捕食する>
キツネのはく製
<霧ヶ峰の草原に生きるキツネ>
キツネのはく製
<人が落とした物を口に入れることも>

他にも職員やボランティアの方が手作りした展示が好評だったので、できる限り展示しました。
関わった人たちの思いを無駄にしたくないと思ったからです。

展示全般的には、目線が高く読みづらかった文章の位置を下げる、振り仮名を振る、主要な文は英語表記を併用する等、配慮しました。
また、人によっては文字が読みづらい場合があるため、文字と背景の色のコントラストにも注意しました。

館内展示
<館内の展示>
展示パネル
<展示パネル>

霧ヶ峰のことを知りたいと思う全ての方が、きちんと情報を得ることができるようになっていれば幸いです。

センターは来年4月15日に開館予定です。
しばらくお休みに入りますが、来年度も皆様のお越しをお待ちしています。

初雪

2022.10.29

10月24日、25日の早朝に雪が降りました。

薄っすらと木々に付いた雪
〈園地の樹叢〉

薄っすらと積もった程度で直ぐに溶けましたが、近年霧ヶ峰で初雪を観測するのは11月頃。
いつもより早い冬の訪れにビックリです。

日中も気温が上がらない日が多いのですが、ここ6日間の気温は以下の通りです。

最高気温最低気温
24日13.2℃0.7℃
25日4.5℃-1.3℃
26日2.2℃-2.5℃
27日8.0℃-4.0℃
28日9.0℃1.2℃
29日11.0℃-0.5℃

霧ヶ峰にお越しの際はダウンジャケットや帽子、手袋など冬の仕度がおすすめです。
また、天候によってはスタッドレスタイヤやチェーンが必要になる場合があるのでご注意ください。

氷点下の日が増えてきましたが、そんな日に現れるのが霜柱。

霜柱
<センター前にできていた霜柱>

この日見た霜柱は、見た目は飴細工のように白く繊細で、触るとパキっと割れて触り心地も飴のようでした。
花々も広葉樹の落葉も終わり、残すはカラマツの黄葉を残すのみで、見どころが少ないように思われるこの季節。
ですが思わぬ雪景色や美しい霜柱などを見ると、冬の訪れを感じワクワクします。
自然はいつも贈り物をくれる、そんな気分にさせてくれます。

さて、真っ白になった富士山の他、北アルプスなどの高山にも雪が付いています。

富士山
<センターテラスから撮影した富士山>
北アルプス
<霧鐘塔から撮影した北アルプス>

澄んだ空気の日は、遠くの山々がいつもより近く見えるように感じます。
この時期は遠くの景色を眺めるのも楽しみのひとつです。
山の手前、霧ヶ峰の草原は一面のススキ原…。

このススキの中に鳥の姿を見つけました。

ノビタキ
<ノビタキ>

霧ヶ峰でおなじみの鳥、ノビタキは渡り鳥。すでに移動している個体もいますが、こんな風に出会えると嬉しいですね。

最後に、霧ヶ峰自然保護センターは毎年11月15日までの開館で、16日から翌年4月14日まで冬期休館となります。
今年度リニューアルしたセンターは、展示パネルや映像などが新しくなり、テラスも新設されました。
まだ来られていない方は是非、休館前にお立ち寄りください。

【コース紹介】車山湿原~男女倉山~八島湿原

2022.10.02

10月はじまりの土日は快晴。湿度が低くカラッとしていて空気が澄み高い山々が良く見えます。

青空と山々と草原
〈樺の丘から見た八ヶ岳〉

昨日は、車山肩~車山乗越~北の耳~男女倉山(ゼブラ山)~八島湿原~車山肩を歩いてきました。
秋晴れの中歩くのは気持ちよく、汗をかいても少し冷たい風が乾かしてくれます。
秋は登山するのに良い季節ですね。

出発地点である車山肩からは、車山と蝶々深山に挟まれた車山湿原が見渡せます。

なだらかな山と湿原

全体的にベージュ色に染まっていました。

ベージュと茶色に染まる湿原
<車山湿原>

湿原の周りは木道が整備されていて歩きやすいため、多くの登山者の方とすれ違いました。
ですが、車山乗越(のっこし)から北の耳へ向かう道へ入ると、一挙に歩く人が少なくなります。
このコースを歩くには最低でも4時間近くかかり、途中わずかですが急な斜面もあるため、登山靴や雨具の持参など登山の装備で歩くことをお勧めします。

地図はこちらから→霧ヶ峰散策マップ

こちらのコースの楽しみは、壮大な景観。
北の耳あたりで車山方面を振り返ると広々とした霧ヶ峰の景色に感動するはずです。

広々とした草原景観
<北の耳手前から車山を見る>

まるで日本ではなく外国のトレイルのよう。
(私は歩いたことがありませんが笑)

草原景観を楽しみながら歩いていると、足元からバサバサと音を立てて飛び出してくるものが…。

低木にとまる鳥

ホオアカでした。この個体は目の周りの白いラインがくっきりしていて印象的でした。
そろそろ渡りの季節のため、こうして出会えるのもあとわずかかもしれません。

銀色に輝く山肌
<銀色に輝く山肌>

北の耳を下ったところで八島湿原の方を見下ろすと一面が銀色!
どこまでも果てしなく続くススキの煌めきに驚いてしばらく眺めていましたが、景色を独り占めしたような気分になります。

緩やかなアップダウンを繰り返しながら進み、男女倉山から八島湿原へと下りてくると、こちらも草紅葉が見ごろとなっていました。
車山湿原と比べると全体的に深みのある橙色をしています。

橙色に色づくシダ植物
ススキと湿原

穏やかな気候の中、明るいススキの穂や紅葉を眺めているとのんびりとした気持ちになりますね。

最後に、秋に歩く際の注意点は夏と比べて日が落ちるのが早いことです。
10月初頭の場合、日の入りは17時半くらいで16時過ぎには気温が一気に低くなります。
計画的にコースを決めて歩きつつ、秋真っ盛りの霧ヶ峰を楽しんでみてください。

踊場湿原の草紅葉

2022.09.22

一雨ごとに秋が深まっています。
9月22日朝9時の気温は15℃、昨日から今朝までの最低気温は9℃でした。
朝晩は特に冷え込み肌寒いです。

ススキとオレンジに色づく草紅葉
〈踊場湿原〉

霧ヶ峰では草が色づく草紅葉が見ごろになってきました。
踊場湿原ではパッチワークのように様々な色がちりばめられていてひとつの大きな作品のよう。

池と草紅葉
<アシクラの池周辺>
湿原が橙、黄色に染まる
<湿原中央>

黄葉している植物は間もなく枯れる運命にありますが、多年草(ふつう2回以上開花・結実する)の植物の場合、地上部分が枯れても根は生きていて、地下で次の春を待ちます。
また一年草は発芽後一年以内に枯れますが、その間に開花し種を付け、次の世代に繋げます。

薄茶色の種を付けたシシウド
<シシウドは多年草ですが、花を咲かせ実をつけるのは一度きり>

植物はそれぞれのサイクルで生命をつないでいます。

枯れるのは終わりではなく、はじまりと言えるかもしれません。

さて、踊場湿原の周辺はぐるっと一周散策することができます。
八島湿原や車山湿原と違って、湿原の周りにススキ原が広がっているのが特徴です。

曇り空の踊場湿原
<ススキが広がる踊場湿原>

このススキですが、秋に注意してほしいのはこれです。

ススキの葉がちまきのように巻かれていて面白い形なのですが、これには絶対触れないでください。
この中にはカバキコマチグモという毒グモが営巣しています。

ススキ
<ススキの葉を利用し営巣します>

触ると皮膚が腫れひどい痛みが出るそうなので、触れないよう注意してください。
探して見つけられると面白くもありますが…。

さらにススキが生える足元には、ウメバチソウハナイカリなどかわいらしい花々が咲いていました。

五枚の花弁の白いウメバチソウ
<ウメバチソウ:撮影9月22日>
トゲトゲした形の小さな花をたくさんつけるハナ
<ハナイカリ:撮影9月22日>

この連休は天候が雨や曇りの予報ですが、曇りや雨の日の景色は晴れの日とは違った景色を味わえます。

ススキひとつとっても、天候によって銀色(晴れ)、黄金色(曇り)、黒(雨や霧)とその時によって見え方が違うのが不思議です。

防寒対策をして、是非秋の深まる霧ヶ峰を歩いてみてください。

イタチと水たまり

2022.09.08

八島湿原では今、サラシナショウマやエゾリンドウ、アキノキリンソウなどが見頃です。

斜面に咲くサラシナショウマ
〈広場から右側に進んだ斜面に生えるサラシナショウマ〉

花穂が試験管を洗う白いブラシのような見た目で、風に揺れるとユラユラします。
サラシナショウマに顔を近づけると、甘い香りが。
匂いの感じ方は人によって違いますね。皆さんはどう感じるでしょうか。

歩いていると個性的な見た目の植物が目につきます。

すらりと伸びた茎
<高さは1メートル以上>

イガグリのようなトゲトゲがいくつも茎の先に付いていて、中央が開くと目玉のような姿。花はアザミに似ています。

開きはじめ
<開花しはじめ>
開花
<中央が開き開花します>

個性的な見た目で、霧ヶ峰関係者にもファンの多い(!?)ハバヤマボクチです。
名前も面白いですね。

ハバヤマとは葉場山で、草刈り場のことを指し、ボクチとは火口、つまり火種を意味するそうです。
ハバヤマボクチの葉の裏側には綿毛がついていて、火を移しとるための火種として使っていたと言われます。
草刈り場として利用されてきた霧ヶ峰に相応しい植物ですね。
よく見るとトゲトゲ(総苞片)の間にも白い綿(クモ毛)がついていますが、いったい何のためについているのでしょう。
不思議です。

さて、木道を過ぎて砂利道のところで、焦げ茶色のなにかを見つけました。

道端に何やら…
<道端に何かいる…!>

微動だにしなかったので、はじめは木の一部に見えましたが少し様子が違います。
カメラを向けてみると、なんとイタチでした。
霧ヶ峰で明るい時間にイタチを見たのは初めてでしたが、興奮を抑えつつ撮影しました。

イタチ
<イタチ>

夏毛で全体的に黒く、脚から頭までが長くヒョロッとしています。
長年出会いたかった動物に、突然出会えてとても嬉しい出来事でした。

さて、目の前には小さな水たまり…。
今年の9月は雨が多く、こんな水たまりがあちこちにできています。

イタチと水たまり
<イタチと水たまり>

イタチは、こちらの様子を気にしつつ、目の前にある水たまりの水を飲み始めました。
人がいても、水たまりの水でも、気にならないどころか、どうしても水を飲みたいように見えました。

水が必要なのは野生の生きものだけではありません。

霧ヶ峰の大地に浸みこむ水は、諏訪の人々が使う水源の一部となり、伏流水は諏訪の地酒にも利用されています。

多くの生きものの生命を支える水が、霧ヶ峰にあります。

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