車山湿原のザゼンソウ
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今年は多かった雪。ですがあっという間に解けてだいぶ減ってきました。

この時期に車山湿原に来たのは、この時期に咲く植物の様子を見たかったからです。
何かというと、ザゼンソウ。
霧ヶ峰では雪解け後、真っ先に咲く花です。

湿原をぐるりと一周すると、西側の方にたくさん見つけました。


ザゼンとは座禅。僧侶や達磨のイメージからつけられた名前のようです。
小人たちの帽子のようにも見え、あちこちで姿をのぞかせていてかわいいです。
自然のものなので仕方ないのですが、どれを見ても内側の花の部分が良く見えず、そっぽを向いているようでした(湿原の中には入れません)。



たくさんあるのになぜ?!とちょっと不思議です。
ザゼンソウが咲いている湿原の表面はポコポコと波打っています。

車山湿原は高層湿原と呼ばれ、ミズゴケなどの泥炭が厚く積もった特殊な湿原です。
一年に一ミリというわずかな量が積み重なり、また、波打った表面は凸凹を繰り返しながら成長しているといわれます。
車山湿原の正確な年数はわかっていませんが、深いところで約1.5mあるため、長い年月をかけ今の姿になったことが想像されます。
ザゼンソウも春に現れては枯れ、また新たな世代に入れ替わり、ということを何度繰り返してきたのでしょうか。
誰もいない湿原で、ふと、長い時間を感じたような気がしました。


湿原ではノビタキの朗らかなさえずりが響き、周辺ではトビが伸びやかに舞い、気持ちよさそうです。
霧ヶ峰にも春がやってきました。
車山湿原を歩かれる方は、足元が濡れないようにして、静かな春の霧ヶ峰を味わってみてください。