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真っ赤なナナカマドと青紫色のリンドウ

2023.09.22

今年は9月に入っても暑い日が続きますね。
夏以降、いつもならセンターで使っているストーブをまだ使っていないです。

ここ5日間の気温を確認してみると…

9月最高気温最低気温
17日26.6℃17.5℃
18日25.0℃15.0℃
19日25.0℃18.0℃
20日23.0℃15.0℃
21日17.9℃15.1℃

昨年の9月は最高気温が25℃を超える日が無かったので、今年は気温が高いのですが、街に比べれば涼しいよ、と言われそうです。
少しでも涼しいところへ行こう、という考えの方が多かったのか3連休はお盆の頃のような賑わいでびっくりでした!

連休を過ぎた平日は訪れる人が少なく、草原に咲いている花もまばら…というと寂しげですが、私はこの時期に歩くのが好きです。

広大な草原
<車山乗越~北の耳。草原を独り占めした気分になれます>

久しぶりに車山周辺へ来てみると、車山と蝶々深山の間の車山湿原は黄色く色づいています。
この色合いを見ていると、青々としていた時期はあっという間に通り過ぎてしまうんだなぁと感じます。

ススキの向こうの地面は黄色く色づいている
<車山湿原の草紅葉>

木々の葉も紅葉してきているのですが、とある木の赤い色が目につきました。

紅葉だと思い近づいてみると…。
赤い実がたわわになっていました!

赤い実を沢山つけた木
草原にポツンと立つ木

この木は、車山乗越から北の耳まで歩いていると、とても目立つ木で偏形樹と呼ばれています。
一定方向からの風を受けることで風下方向に伸びた形をしているのですが、何の種類か気に留めたことがありませんでした。

改めて見ると、葉は羽形、鋸歯(歯の縁のギザギザ)は細かいものの鋭い特徴があるナナカマドでした。
ナナカマドの紅葉はすばらしいですが、もう少しするとこの木も色鮮やかになるのでしょうか。

今の時期は、草むらの中にリンドウの花もポツポツ咲いています。

上向きの紫色の花
<草の中をよく見ると…>

丈が小さく先端についている花も少なめのものが多いのですが、吸い込まれそうな紫色に目を奪われます。

宮澤賢治の小説「銀河鉄道の夜」にも出てくるリンドウ。
「もうすっかり秋だねえ」というセリフに、うんうんと頷ける秋の花です。
どこまでも続くようなススキの草原を歩きながら、リンドウを辿って歩くと、少し寂しいような、改めて大切なものに気が付けるような、そんな物語の世界に入り込んだ気分になるかもしれませんね。

子どもたちと自然保全活動を行いました

2023.09.08

ブログをしばらく更新していない間にすっかり秋モードの霧ヶ峰です。

センターの周辺ではススキの穂がだんだん広がってきました。

夕日に照らされオレンジ色のススキ
<夕日に染まるススキ>
夕日に染まるススキ草原
〈忘れ路の丘〉

これから先10月末位まで、しばらくこの風景が見られます。

草原には、ウメバチソウやノコンギクなどの花が咲いています。

白い花
<ウメバチソウ>
薄紫色の花
<ノコンギク>

夏に群生するニッコウキスゲなどとは違って、数はそんなに多くはありませんが、夜空に瞬く星のように、草原に散りばめられた花々。探しながら歩くと楽しいです。

こちらの写真、子どもたちは何を探しているのでしょうか。

草地にかがむ子供たち

探しているのは、へラバヒメジョオン。北アメリカを原産とした外来植物です。
霧ヶ峰本来の生態系に影響を及ぼす可能性があるため、協議会では駆除作業を計画的に行っているのですが、今回は学校の希望で作業を行うことになりました。

今の時期は形が似たキク科の花があるため、間違えないように気を付けながら作業をしてもらいました。一生懸命作業に取り組んでくれて、「楽しい」という声が聞こえたのが嬉しかったです。

小さな白い花
<へラバヒメジョオン>

このヒメジョオン類、霧ヶ峰では1970年代から侵入が報告されています。
観光道路ビーナスライン白樺湖~霧ヶ峰間が開通したのが1968年。
多くの人たちが訪れるようになり手軽に自然を味わえるようになった反面、人々の行動によって自然への影響は少なからず出ています。
その後1973年、霧ヶ峰自然保護センターが開館しました。霧ヶ峰の自然・歴史文化を後世へ伝えること、また保全の役割も担っています。

ちなみにセンターが開館した日は9月4日。実は50周年という節目の年なんです!

話は戻りますが、自然への影響ということについて、8月末に来たインターン生が実習で課題として取り組んでくれました。
実習では霧ヶ峰パークボランティアの皆さんと共に体を動かし公園整備を行ったり、外来種駆除作業も一緒に手伝ってもらいました。

大学生と小学生
<外来種駆除作業の様子、インターン生と小学生が作業に取り組み中>

最後に、インターン生の文章を抜粋したものを紹介します。

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ボランティアの皆さんが楽しく自主的に活動を行っている姿を見て、霧ヶ峰の保全に
対する熱意に尊敬したとともに、私も積極的に保全活動に携わりたいと思いました。
私は自然保護と観光振興の両立について理解を深めたいと考え、インターンシップに
参加させていただいています。
霧ヶ峰は木々が少なく、周囲の景色が見渡せる開放感が魅力です。霧ヶ峰に訪れた際
にはぜひ車から降りて、五感を使い自然を味わってほしいと思っています。

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利用と保全の両方が成り立つように努力することが、センターとしてのひとつの使命だと思います。
訪れる方たちも是非そのことを知ってもらい、自然を感じること、自分にできることを考えてもらえると嬉しいです。

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