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ニッコウキスゲ開花予想(2021年)と季節の草花

2021.06.27

センター前の園地を歩くと、先日まで見かけなかったハクサンフウロやイブキトラノオの花が咲いていました。

〈ハクサンフウロ〉
〈イブキトラノオ〉

霧ヶ峰の夏を彩る花々です。
薄ピンク色のハクサンフウロや、風に揺らめくイブキトラノオは霧ヶ峰の草原ならではの光景です。
季節の花々はゆったりと眺めて楽しみたいですね。

さて、霧ヶ峰の夏といえばもちろんこの花。

〈ニッコウキスゲ〉

ニッコウキスゲです。
草原の奥の方に咲いていても、この橙色は目立ちます。
園地には、ほんの僅かですがニッコウキスゲの姿が。
この花を見ると、私は「夏がやってくる!」とソワソワしてしまいます。
梅雨の間に少しずづ開花し、梅雨明け前後には、橙色の景色を見せてくれるでしょう。

蕾の様子を見ると、見ごろは例年通り7月中旬頃と予想しています。
ただし、開花の進み具合は今後の気象条件で変わるため変動することもあります。
今年の咲き具合は一体どうなるでしょうか。

その他園地には、コバイケイソウがよく咲いています。

〈コバイケイソウ〉

このコバイケイソウ、小さな花をいくつも付けて穂のような姿をしているのですが、花自体はいい香り!…ではないです(人にとっては)。

〈コバイケイソウの花穂〉

ですが虫たちにとっては御馳走の合図♪
コバイケイソウには多くの昆虫が蜜を求めてやってきています。

〈園地のコバイケイソウ〉

こちらのコバイケイソウは葉の部分が食われていたのですが、先月、このコバイケイソウの若葉に虫が群がっているのが目につきました。

〈コバイケイソウの若葉に群がる〉

この虫はバイケイソウハバチといって、幼虫がバイケイソウなどの葉を食べて成長します。
コバイケイソウの葉を食べるものは他にもいる可能性はありますが、このコバイケイソウの葉が食われていたのは彼らの仕業でしょう。
虫たちにとっては、コバイケイソウの花の蜜も葉も御馳走だったのですね。

自然を観察してみると、まだまだ知らないことがたくさんあり発見の連続です。
みなさんも是非自然をじっくりと観察して、「何か」を見つけてみてください。

レンゲツツジ開花状況(2021年6月17日)と車山湿原のコバイケイソウ

2021.06.17

6月17日現在、霧ヶ峰全域でレンゲツツジが見頃を迎えてきています。

車山高原 見頃
富士見台 見頃
踊場湿原 見頃
自然保護センター周辺 4割(蕾は少なめ)
八島ヶ原湿原 4割
車山湿原 咲き始め(蕾は少なめ)

〈富士見台・向こう側の斜面にも点在しています〉
〈雨降りの後は花が生き生きしています〉
〈八島湿原のレンゲツツジ右とヤマツツジ左〉

レンゲツツジの蕾は全体的に少ない印象ですが、鮮やかな花の色が草原に彩りを添えています。

さて、レンゲツツジの朱色とは対照的な白い花を咲かせる植物が、車山湿原周辺で群落を作っています。

〈車山湿原にて〉

コバイケイソウです。

過去には、レンゲツツジもコバイケイソウも湿原いっぱいに咲いたことがありますが、今年はコバイケイソウが湿原(北側の辺り)の大半を埋め尽くすかのように咲き、圧巻です。

〈車山湿原の木道より〉
〈車山湿原から車山肩方面を見る〉

この日は他にほとんど人がいなかったのですが、きっとこの光景を目にした方は、感動したに違いありません。
少なくとも私はビックリし、そしてこの景色に感動しました。

以前のブログにも書きましたが、自然は毎年同じではありません。
だからこそ、その時々にしか見られない光景に心を動かされるのでしょう。

梅雨の合間に、是非訪れてみてください。

園地に咲く花々

2021.06.13

今日は霧ヶ峰パークボランティアの活動で「花を楽しむ散策会」を行いました。

花のマップ

話を聞いたり写真を見比べるよりは、実物を自分の目で見ることが一番!
ということで、花マップを手に、園地を散策しました。

園地を散策

仲間と一緒に散策しながらの花めぐり。
少しずつ植物の種類が増えている今、じっくり観察すると意外とあっという間に時間が過ぎていきます。

「この花は何だろう?」

足元を見つめる人
スズランの白い花

スズランでした。

スズランの特徴の一つが香りですが、爽やかなよい香りがします。
花の香りは植物にとって、昆虫を呼び寄せるための手法のひとつです。
人にとってはいい香りと感じないものもありますが、スズランは何度も嗅ぎたくなるような香りです。

茎の先に黄色い花

こちらはアカギキンポウゲ
今あちこちで元気よく咲いている黄色い花です。
晴れている日は表面がキラキラ(ギラギラ?)と輝いて見えます。
どうして輝いているのかはっきりとはわかりませんが、おそらく昆虫を寄せ集めるための手段なのでしょう。

しばらく観察していると、色々な昆虫が蜜を求めてあちこち飛び回っていましたが、昆虫たちは転げまわって体にしっかりと蜜をつけていました。

さて、園地には、アマドコロや、コバイケイソウも開花しています。
足元には小さなスミレも咲いていますし、見どころはたくさんあります。

鈴なりに白い花
〈アマドコロ〉
コバイケイソウの白い花
〈コバイケイソウ〉

〈ニョイスミレ〉

ボランティアの皆さんもたくさんの植物を発見して、より親しみを感じられたようでした。
観察をすることは、花に親しむ一つの方法ですね。

レンゲツツジ開花状況(2021年6月10日)と園地に咲くサクラ

2021.06.10

お問合わせが多くなってきました、霧ヶ峰のレンゲツツジの開花状況(6月10日現在)です。

車山高原 見頃
富士見台 咲きはじめ
踊場湿原 見頃
自然保護センター周辺 咲きはじめ
八島ヶ原湿原 咲きはじめ
車山湿原 蕾

踊場湿原の遊歩道脇に咲くレンゲツツジ
〈踊場湿原の様子〉
園地のレンゲツツジ
〈園地のレンゲツツジ〉

この先の天候にもよりますが、全域で6月中旬頃から見頃を迎えそうです。
晴れた時に見るレンゲツツジもいいですが、霧の時のレンゲツツジも朱が映えて幻想的なんですよ。

さて、センター前の園地に、大空へと枝を伸ばすように、すっくと立っている一本の木があります。
花をいつ咲かせるのか分からない、というレアな咲き方をするこの木。
霧ヶ峰によく来られる方の中には、「あの木は何?」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

草原に生える木
〈園地のモニュメント的存在の木〉

そんな木なのですが、あれ?!なんと花を咲かせています‼

木に咲く白い花
〈小さな白い花を付けています〉

小さな白い花をいくつも咲かせて青空が引き立て役です。
ミヤマザクラです。
霧ヶ峰に来る途中の林や、園地の樹叢にも咲いていますが、草原の中にポツンと生えているこの木が突然花を咲かせたのでビックリです。

この辺りは長年、草刈り場として利用されてきたため草原が広がっています。
もともと木が生えていてもおかしくありませんが、どういうわけか、一本だけ生えている木。
草刈りの時に休憩場所として利用するために残したのかな?とか、
何かの機会に誰かが植えたのかな?
と色々と想像が膨らみます。

草原という環境がこの木にとって、いい環境なのかはどうかは分かりませんが、それでも逞しく花を咲かせています。

自然は毎年いつも同じではありません。
あまり花付きが良くない年もあれば、当たり年と言われるようにたくさんの花を咲かせることもあります。
例えば今年だと、理由は分かりませんが、ズミやエゾノコリンゴはあまり花を咲かせませんでした。

だからこそ自然は面白いのだと思います。
皆さんもご自身の目で、霧ヶ峰の自然を眺めてみると新たな発見があるかもしれません。

レンゲツツジ開花状況(2021年6月5日)と野山の花たち

2021.06.05

踊場湿原のレンゲツツジは6月5日現在、日当たりのよい場所で4~5割程度の咲き具合です。

丘の上に咲くレンゲツツジ
踊場湿原南側の丘の上
朱色の花がたくさんついたレンゲツツジの木
レンゲツツジ

この鮮やかなレンゲツツジが咲きだすと、初夏が近づいてきたことを感じます。
花の様子を見ていると、日当たりのよい場所から咲いているのが分かります。
センター前の園地の日当たりのよい場所では、まだ開花はしていませんでしたが、いまにも開きそうな蕾がいくつかありました。

さて、こちらは園地の様子です。

木々の新緑
第二園地付近

草木の鮮やかな緑と、見上げれば空の青の濃さにやはり初夏が感じられます。

植物の種類が増えてくると、とても全ての植物を紹介しきれませんが、今回は普段あまり注目されない(大好きだという方がいたらすみません)花たちを紹介します。

こちらは「花なの?」と思われるかもしれません。

緑色の花
花のアップ

名前はタカトウダイ
赤味も入っているのですが、全体が緑色でちょっと目立たない存在です…。
花弁もないのでなおさらそう見えるのですが、実は、小さな花をたくさんつけます。
そして秋には紅葉する草紅葉のひとつです。


秋の方が目立ちそうですね。
注目して見てもらいたいのですが、有毒植物なので触らないようにしておきましょう。

白い小さな花

次は、オオヤマフスマ
こちらは散策路沿いによく咲いていますが、これからたくさんの花が開花するようになると、意外と目に付きにくいかもしれません。
でも、小さく可憐な花で可愛らしい存在です。

白い小さな花

オオヤマフスマの隣には、さらにさらに小さな白い花。
ミミナグサです。花の直径は5~6ミリくらいでしょうか。
花弁の一つ一つに切れ込みが入り、よく見ると端正な形をしています。
よく似たオランダミミナグサは外来植物ですが、こちらは在来植物です。

今の時期はまだ周りの草丈が短く、小さな花が見つけやすいです。
レンゲツツジのように目立ちはしませんが、野山の小さな花たちも注目して見てみると、意外といろんな花が咲いているのに気が付きますよ。

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