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車山気象レーダーと新田次郎

2025.08.11

3連休3日目も雨。
登山やお出かけを予定されている方は残念ですが、連日の暑さで乾燥気味の植物にとっては恵みの雨になったことでしょう。

連休前日の8月8日、車山へ巡回に行ってきました。
というのも、年に一度の車山気象レーダーの公開日だったからです。車山に到着すると、この日は多くの方が訪れていました。順番待ちの後、中に入って職員の方の説明を聞き、パラボラアンテナが回転している様子の一部を見ることができました。

四角い黒い建物と白いドーム
〈車山山頂にある気象レーダードーム〉

直径4m程のアンテナが1分間に4回転の速さで回転していて、アンテナから発射された電波が、雨に当たってはね返ってくるときの距離や強さを計測します。
気象レーダーは国内に20カ所あり、車山はもっとも標高の高い1,925mに位置します。見通しの良い車山は気象観測をするのには最適なのでしょう。そして、得られたデータは東京に送られ、日々の天気予報や防災のため利用されます。

太陽の形が顔になっているキャラクター
〈気象庁マスコットキャラクターはれるん〉

車山気象レーダーの運用開始は1999年で、富士山頂の富士山レーダーの運用終了に伴い設置されました。

山々と青空
〈この日は雲で隠れていましたが、八ヶ岳と南アルプスの間に富士山が見えます〉

富士山気象レーダーの建設に関わったのが、小説家の新田次郎氏です。新田氏は上諏訪町(現在の諏訪市)出身。霧ヶ峰を舞台にした「霧の子孫たち」も有名ですが、実際に起こった自然保護運動について書かれた作品は、いまでも多くの方に読み継がれています。

霧の子孫たちの本
〈霧の子孫たちと新田次郎関連の書籍〉

その新田次郎が気象庁の職員の時、富士山レーダー建設に関わったんだそうです。
いろいろな縁を感じます…。

山頂付近では、黄色と黒が鮮やかな虫たちに出会いました。

クリーム色と黒色の目立つ色合いのセミ
〈コエゾゼミ〉

コエゾゼミが木道の上にいました。このセミは少し弱っていたのか、触ってもあまり反応がありませんでしたが、センター周辺では「ジーーーッ」と大きな声が林からよく聞こえてきます。

岩の上にとまる蝶
〈岩の上でお休み中〉

こちらはキアゲハ。太陽の光を浴びてしっかりとエネルギー補給中。羽を大きく広げて岩にくっついているみたいです。
蝶はなわばりを示す占有行動をとることがあり、この日は2頭が追いかけっこをしていました。
キアゲハの幼虫はシシウドやノダケなどのセリ科の植物を食べるので、これらの植物を観察すると、小さな幼虫を発見します。
畑では、ニンジンやパセリについているのを見かけたという方もいるかもしれません。
私はかわいいと思っているのですが、ぜひ探してみてください。

車山肩から車山山頂までは幅の広い登山道でスニーカーでも歩けますが、石がたくさん転がっているので、転ばないように足元に注意してくださいね。

広い砂利道
〈車山山頂手前〉

花の様子もどうぞ。

白い花がたくさん上部についている
〈ヤマハハコ〉
青いベルのような花がたくさん茎についている
〈ツリガネニンジン〉
青い細長い花
〈クガイソウ〉

そしてこの景色…。

広い草原と青空と雲
〈車山肩から少し登ったところからの景色〉

青々とした草原と雲の影が壮大な景色を作り出していますが、この草原の濃い色合いもそろそろ終盤になりそうです。

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