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ワタリドリ

2024.04.09

3月に何度も降った雪はあっという間に雨や日差しによって溶けてきていますが、登山道の所々にまだ白い塊が点在しています。
先日終了したスキー場は雪が残っていました。普段はスキーヤ―・スノーボーダーが滑るコースの真ん中を歩くのは面白かったです。

スキー場の雪と遠くの山々
<車山スキー場の上部>

車山湿原では雪解け後にいち早く姿を現すザゼンソウが姿を表していました。

赤い帽子のような形のザゼンソウ
<車山湿原西側で見つけたザゼンソウ>

新年度は進学や転勤などで移動される方が多いですが、鳥たちにとっても今は移動の時期。
霧ヶ峰では夏鳥と呼ばれる渡り鳥ノビタキが戻ってきました。

杭にとまるノビタキ
<上面が茶色っぽくまだ冬羽の名残があります>

今年はちょうど、準備のためセンターに来た4月1日に確認しました。
必ず春に戻ってくるとはいえ、久しぶりの再会に嬉しくなります。

他には、ヒバリ、ウグイス、キレンジャク、トビ、カケス、アカゲラ、エナガなどを確認しています。

冬を振り返ると、今年は珍しい鳥に出会いました。

白い体で翼の先が黒い鳥
<2月初旬に撮影>

初めに確認したのは2月初旬。例年に比べて雪が少なく草地のベージュ色が目立っていましたが、その中で、白さが際立つ猛禽類に遭遇しました。
地を這うように滑らかに飛ぶ姿に目を奪われました。

ハイイロチュウヒ
<頭部から尾羽は明るい灰色>

ハイイロチュウヒでした。
ヨシ原で越冬する冬鳥で、全国に飛来しますが場所や数は一定ではないようです。霧ヶ峰ではめったに見られない鳥です。

草地のネズミを探しているのでしょうか。
狙いを定めるように下を向きながら飛び回っていました。

さてこちらは…?

木に止まるふっくらとした鳥
<細いカラマツの木の上に>
頭から胸にかけて白くお腹の辺りは茶色い
<器用にとまる、もこっとした鳥>

こちらは冬鳥のケアシノスリでした。腹部の色合い(褐色)から若鳥と思われます。
ある時は木の上、またある時は看板の上でジッとしていたかとえば、カラスやチョウゲンボウに追いかけられている姿も目にしましたが、積雪の多かった3月以降は目にしなくなりました。

旨に細かな斑点模様
<チョウゲンボウ>

この冬はいろいろな猛禽類が飛び回り賑やかでした。
雪が少なくてネズミなどの獲物がとりやすかったことも影響しているかもしれません。

気候の変化は鳥たちの行動にも変化をもたらしているのでしょう。

3月の雪とハギマシコ

2024.03.03

3月に入り降った雪は湿り気が多く、日中に溶けて冷えて固まりバリバリに凍りました。

登山道に一面の雪
〈センター前の園地〉

表面は平らで滑らか。
場所によってはスノーシュー等が無くてもスイスイ歩けて、空中を歩いているような不思議な感覚です。
でも、たまにバリンと割れると落とし穴にはまったようになり、足を上げるのが大変です。

穴が空いた雪の表面
<バリバリの最中のよう>
人の足跡とキツネの足跡が薄っすら
<靴底の跡とキツネの足あと>

園地にはキツネの足跡があちこちにありましたが、面白いようにすいすい歩いていたかもしれません。
大型獣であるシカの踏み跡は沈み込むようについていましたが、雪があっても斜面を軽々と駆け上がるので、シカにとってはなんてことないかもしれません。

地面と山肌が真っ白
<車山乗越から蝶々深山方面を見た様子>

今回の積雪は約20~30㎝。全体では約30~50㎝の積雪深です。
登山道で、踏み跡が無いところは歩くのに時間がかかるかもしれません。

変わって、雪が溶けているところで、こんな鳥に出会いました!

地面に群がる小鳥
<地面でせわしなく動き回る鳥たち>

地面に落ちている種子を食べているのでしょうか。

スズメ?
霧ヶ峰(センターより標高の高い地域)では、スズメは見かけません。
また、この鳥は夏、霧ヶ峰には生息していません。

ハギマシコ
<胸から下は赤みがかっています>

冬鳥でアトリの仲間のハギマシコでした。
夕方に建物の軒下などでも見かけましたが、暗くてよく見えなかったので昼間出会えてラッキーでした。
オスは顔の辺りが黒く、後頭部は茶色。胸から下は黒と赤のまだら模様。
赤が入っていても全体的に黒が目立ちます。

この時は数十羽の群れで行動し、地面にいたり、飛び立って木に止まったりを繰り返していました。
鳴き声は小さな高い音。

飛んでいる鳥
<一斉に飛び立つ>

まだまだ厳しい寒さは続いていますが、生きものの中にはその寒さを選んで過ごしているものもいます。

厳しい自然環境の中でも生き抜く生きものたちの姿を、皆さんも是非探してみてください。


八島湿原で出会った鳥たち

2024.01.26

先週末は大雪になると思いきや雨模様。
積もった雪を溶かして、みぞれのような積雪状態に。
でも、その後寒気の影響でまた少し雪が積もりました。

木道と湿原が雪で白い
〈八島ヶ原湿原の入り口〉

八島ヶ原湿原の湿原内は少し白くなっていました。
木道にも雪が積もっていますが、積もっていたり溶けていたりとやや歩きにくいです。
足元に気を付けながら散策してみてください。

雪の上にまっすぐの足跡が続く
<雪の上に足跡が続いています>

雪の上を様々な動物たちが歩いています。
先日歩いているときあちこちに足跡を見つけました。

「鳥の足跡を想像してみて」と言われて思いつくのがこんな足あとではないでしょうか。
大きさは5センチ程。しばらく歩いていると木道脇で二羽の鳥に出会いました。

矢印のような足跡
<この足跡をたくさん見かけました>
木道の横に二羽のキジ(緑色)
<木道の横にキジ>

キジです。草原に生息するキジは霧ヶ峰ではよく見かける鳥(夏頃は幼鳥の可愛らしい姿も)ですが、今年は積雪が少ないので比較的広い範囲を動き回っているのでしょう。走るスピードがとても速くて釘付けになりました。

八島ヶ原湿原周辺では様々な鳥に出会います。
御射山周辺ではノスリに遭遇。

木の枝にとまる大型の鳥(胸が白い)
<木に止まるノスリ>

高い木の上からこちらをうかがっているようでしたが、獲物を探すハンターの目ですね。

前回のブログでも紹介したキレンジャクは八島湿原でもよく見かけます。

鳥の群れ
<二十羽くらいの群れでいました>

同じく冬鳥(日本で越冬し、ロシアやシベリアなどの北国で繁殖する渡り鳥の総称)の、こんな鳥も。

雪が積もった木に止まる赤い鳥
<赤が鮮やか!>

オオマシコです。オスは青みがかった赤がとても目立ちますが、雪の中で見かけたのでさらに鮮やかに感じました。ハギの実などの種子を好んで食べます。

雪の中に二羽の鳥
<左が若鳥、右がメスでしょうか>

必ず出会えるとは限らないので、見つけられたらラッキー♪

冬も色んな生きものとの出会いがあります。皆さんも何か見つけたら教えてくださいね。

車山周辺の積雪状況(2024年1月7日)

2024.01.07

2024年初めての投稿です。本年も四季折々の自然の様子や、センターからのお知らせなどをお届けしますので、霧ヶ峰自然保護センターのブログをよろしくお願いします。

1月7日は霧ヶ峰での仕事始め。冬期巡回の開始日です。

登山道には雪
〈車山肩から車山湿原へ。雪は柔らかめ~やや締まっています。〉

巡回は、霧ヶ峰パークボランティアの方々と天然記念物の湿原を中心に行っています。
「今日はどなたが来られるかな?」と思っていたところ、ありがたいことにいらっしゃったので、一緒に車山湿原周辺を歩きました。

道の上に雪。周りはササが多い
〈木道から落ちないように気を付けて〉

すれ違う方に声をかけ、積雪時でも天然記念物の範囲には立ち入らないよう声掛けをしました。雪に埋まると一面雪原になるので、湿原があることすらわからなくなります。
霧ヶ峰にある、八島ヶ原、車山、踊場湿原は、3つを合わせて「霧ケ峰湿原植物群落」として文化財に登録されています。天然記念物の範囲を示した地図は「冬の霧ヶ峰」のページに掲載しているのでご覧ください。車山周辺では上の写真に載っている竹竿に沿って歩いてくださいね。

空は雲に覆われその先には八ヶ岳
〈車山乗越から八ヶ岳方面。雪の少ない1月です。〉

歩きながら、動物の足跡が雪面に無いか探しましたが、今日は痕跡が見当たりませんでした。

と思っていたら「リリリリリ…」と甲高い鳴き声が上の方から聞こえてきました!
ズミらしき木の枝先に泊まっていたのは冬鳥キレンジャクでした。

木の上に四羽の鳥の姿
〈四羽鳥がとまってます〉
丸みを帯びた鳥の姿
〈尾の先が黄色いキレンジャク〉

この冬初めて出会ったレンジャクです。この木についていた実を食べていたかは定かではありませんが、今時期はヤドリギなどの実を食べ移動します。
以前スタッフが、八島ヶ原湿原内のコケモモや、車山高原でエゾノコリンゴの実を食べているの見たそうです。あちこちでいろいろな実を食べているみたいですね。

白い木々と丸いドーム
〈先日撮影した車山山頂の様子〉

車山湿原から車山山頂を見上げると、こんな景色が広がっているのですが、山頂にある建物は何かご存じでしょうか。

気象観測のためのレーダードームです。この建物、先日車山山頂に行ったときに、不思議な点に気づきました。

ドームの左側が黒い壁、左側が白い壁
〈車山山頂より〉

左側の壁が黒、右が白。「白く塗り替えをしたのかな?」と思い近付くと…

壁についた雪

なんと雪でした!車山では南から風が吹くことが多いのですが、びっしりと雪が吹き付けられていたのでした。下の方にもとげとげした形の雪ができていて面白かったです。

地面から上に伸びるように発達した雪の固まりたち
〈地面から上方向に伸びている雪の塊〉

雪の少ない一月の始まりですが、これから降雪が増えると吹き溜まりもできます。

ソフトクリームのような雪面
〈先日車山肩に行った際出来ていた吹き溜まりはひざ下までありました〉

登山をされる方は足元が濡れないよう支度を整え、この時期ならではの雪景色をお楽しみください。
積雪情報はフェイスブックやX(旧Twitter)などでも発信しているので、ぜひフォローしてください♪

実りの秋とニホンジカ

2023.11.06

夜に車を走らせていると空からパラパラ…。

雪?!と思いきやカラマツの落ち葉でした。

青空とカラマツの黄色い葉
〈カラマツの黄葉〉

11月に入ると雪が舞う日が出てくる頃ですが、今年は気温が高い日が多いので初雪はいつになるでしょうか。

霧ヶ峰では冬鳥が見られるようになってきました。先日見かけたのはアトリらしき鳥の群れ。八島ヶ原湿原ではイスカも観察されたようです(探しにいきましたが私は見つけられませんでした)。

下の写真のホオジロは年中観察できる鳥ですが、ズミの木にとまっていました。

木に止まる鳥
<ズミの木に止まるホオジロ・八島ヶ原湿原で>

今時期は広葉樹が落葉しているので鳥が探しやすいです。ズミの実は鳥にあまり好まれないのか割と残っていますが、他に食べるものが無ければ、この実も食糧になります。

八島ヶ原湿原周辺では、他にも鮮やかな実がたくさんなっていました。

ピンク色と赤が鮮やかな木の実
<ユモトマユミの実>
オレンジが鮮やかな実が鈴なりに
<ツルウメモドキの実>

レンゲツツジの低木の中、すっと伸びた茎の先についていた綿毛がとっても気になりました。くるんとした羽毛のようなふわふわの綿毛の根元に種がついていて、軽やかに舞っていきそうな形です。

中心から放射線状に伸びる綿毛
<ふわふわの綿毛>


「うーん、君は誰?」
しばらく考えてしまいましたが、クサボタンでした。

青紫色の花
<クサボタン。花期は8月頃>

花もくるんとしていて、可愛らしく楽しげな形です。センターの近くではあまり咲いていない花です。

最後に、御射山近くで出会ったニホンジカの様子を。

小さな角を持つシカ
<オスジカ>

角は生えていますが、白く先が尖った枝角ではなく、黒い袋角がちょこんと生えているように見えます。あまり見慣れない変わった形の角ですね。
秋はシカの繁殖期。何頭ものメスと行動を共にする群れの様子もよく見られます。

体全体も黒くなって冬毛に変わってきました。

動植物の様子から秋から冬へと移り変わっていることを実感します。

ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月5日】

2023.07.05

ニッコウキスゲの開花が少しずつ進んでいます。

・富士見台…3割程
・八島ヶ原湿原…2~3割程
・車山肩…1割程
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…1~2割程
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

黄色の花が埋め尽くす草原
〈富士見台〉
草原と雲海
<富士見台より・八ヶ岳と雲海>
色鮮やかな黄色の花
<ニッコウキスゲ>

富士見台では、開花数が増えていています。撮影した時は雲海が見えていたのと、涼やかな風が吹き抜けていたので、「天空のお花畑…」と思えるような景色が広がっていました。この景色を見ていたら、優しく包まれているような感覚を覚えたのですが、自然の持つ力は雄大です。

電気柵に囲まれた場所
<車山肩・電気柵内の様子>
パラパラと咲くニッコウキスゲ
<車山肩・蕾はいくつもあります>

車山肩はまだ開花数は少なめですが、蕾はいくつもあるのであと10日ほどで見頃になりそうです。

草原からは、ノビタキやホオアカ、ビンズイなど野鳥の鳴き声があちこちから聞こえてきます。
その中でも「ビィービィービィー」と聞こえるノビタキの幼鳥の鳴き声が目立ちます。近くでは親鳥の姿も。子どもたちの近くで、しっかりと見守っているようです。

ススキにとまる茶色の鳥
<ノビタキの幼鳥>
杭にとまる白と黒色の鳥
<ノビタキのオス>

動物に植物、たくさんの命があふれる季節です。是非さまざまな動植物の様子を観察してみてください。

レンゲツツジ・ニッコウキスゲ開花状況【2023年6月25日】

2023.06.25

霧ヶ峰全域でレンゲツツジが見頃となっています。

レンゲツツジ自体は霧ヶ峰の全域で見られますが、昨日霧ヶ峰を歩いた際に、特によく咲いていると感じたのがこちら。

・車山肩ビーナスの丘
・車山乗越周辺
・ゴマ石山(霧ヶ峰自然保護センター~車山肩の中間地)

草原の緑とツツジの赤
〈車山肩ビーナスの丘〉
朱いレンゲツツジと白いコバイケイソウ
<レンゲツツジとコバイケイソウ>
一面のレンゲツツジ
<車山乗越>
たくさん花をつけたレンゲツツジ
<光を放つような色合いの赤>
丘の上のレンゲツツジ
<ゴマ石山~車山肩>
コバイケイソウ
<コバイケイソウも見頃です>

ここ5年程の中で比較すると、今年が一番花数が多い印象です。ただし、車山湿原の周辺は花をつけていない株が目立っていました。

ちなみに、レンゲツツジを漢字でどう書くかご存じですか?


正解は「蓮華躑躅」。

うーん…、難しい‼漢字をよく見てみてください。
足へんが2つあるのが面白いですよね。
由来はいくつかあるようですが、花の美しさに見惚れて何度も足を止めてしまう、という説もあるようです。
実際私も、写真を撮るのに何度立ち止まったか、という位写真を撮り続けてしまいました。

レンゲツツジと草原
<車山山頂に向かう途中で>

この時期は、レンゲツツジとともにノビタキを撮影しに来られる方が多いですが、あちこちでさえずったり飛んだりと忙しそうです。

ススキにとまるノビタキ
<目がぱっちりしていてかわいいです>

さて、お問い合わせの多いニッコウキスゲですが、ちらほらと開花が始まりました。

黄色いニッコウキスゲ
<ニッコウキスゲ>

車山肩はまだほとんど開花しておらず、今のところは富士見台のニッコウキスゲが、霧ヶ峰の中では早くに見頃となりそうです。

草原の中に咲くニッコウキスゲ
<富士見台・まだ全体の1割にも満たない開花数です>

その他の植物の開花状況ですが、八島ヶ原湿原では、アヤメ、カキツバタ、オオカサモチとさまざまな植物が開花していました。

藍色のアヤメ
<アヤメ>
池のほとりに咲くカキツバタ
<カキツバタ>
白い花を沢山つけたオオカサモチ
<オオカサモチ>

梅雨時期ならではの湿気を帯びた空気と、水分を湛えた植物から発散される湿気とで、林の中はしっとり、草木の香りも漂ってきます。
この感覚が研ぎ澄まされる感じが、私は好きですが、皆さんはどう感じられるでしょうか。

レンゲツツジ開花情報【2023年6月2日】

2023.06.03

踊場湿原でレンゲツツジが開花しました。レンゲツツジは標高1,500mあたりで咲くツツジ科の落葉低木で、日当たりの良い草原に自生しています。

朱色のレンゲツツジと山並み
〈踊場湿原南側の丘のレンゲツツジ〉

踊場湿原では、例年6月に入ってから開花することが多いのですが、気候の変動で年々早まっている印象です。昨年は5月末にだいぶ開花していたので、それよりは遅いのですが、例年という表現が難しい今日この頃…。
植物たちは気候に合わせて成長しているのにすぎませんが、動植物の動きを敏感に感じることで、人間は季節を実感しているのだと思わされます。

お問い合わせの多いレンゲツツジですが、現在は白樺湖周辺で見頃で、霧ヶ峰全域で見ごろになるのは、6月中旬以降となりそうです。センター周辺のものはまだ蕾のため、開花するのは1週間程先になりそうです。

さて、踊場湿原ではレンゲツツジの他、木々の緑と白い花たちが瑞々しいです。

駐車場近くやレンゲツツジ群生地の南側の丘で咲いていたのは、キンギンボク

白い細長い花を咲かせる
<細長い花弁が特徴>

スイカズラ科の落葉低木で、花の咲き始めは白く、その後黄色が混在することが名前の由来だとか。
別名はヒョウタンボク。こちらの名前は、真っ赤な実が二つ並んだ様子から付けられたようですが、実には毒があります。

湿原を彩るように生えている木は、ズミ

白い花を咲かせる
蕾と咲き始めはピンク色
<蕾の赤、咲き始めのピンク色も綺麗です>

バラ科の木で、白い花を沢山つける様子はとても華やかです。

ふとした時に甘く香ることがあって、惹きつけられます。香りは五感を刺激する要素の一つ。
写真では伝わらないので是非霧ヶ峰を歩いて感じてみてください。

こちらも白い花を咲かせるミヤマザクラ

葉の上に白い花
<青々とした葉と白い花>

葉が先に出てから花を咲かせる種類のヤマザクラです。
水分を蓄えた青々とした葉と白い花、長い蕊が凛としていて見入ってしまいます。

木々の根元にはマイズルソウが少し開花していました。

小さな白い花
<開花中>
<蕾です>

全長が数センチほどの小さな植物でハート形の葉が特徴です。蕾は丸々と可愛らしく、秋に付ける実は個性的な色合いです。植物の様々な姿に注目してみると、いつでも楽しく歩けるのでお勧めです。

最後に、ホオアカの写真を。

ススキに止まる鳥
草を集める鳥
<口元にご注目♪>

巣材集めに忙しいホオアカのお母さんです。
オスに比べて、頬の赤みが淡く、胸元の模様の色合いが薄いのがメスです。
動物たちも活発に動き回るそんな季節がやってきました。

小さな春

2023.05.01

街中では夏日になる日が出ていますが、霧ヶ峰でも最高気温が18℃程の日があり、初夏のころの気温で驚きです。
霧ヶ峰に来られた方の中には半袖半ズボンの方もいましたが、センター周辺は標高1700m近い山の上。風が冷たく感じられることが多いため、上着があると便利です。

先日、春の霧ヶ峰を味わおうと、霧ヶ峰自然保護センターから八島ヶ原湿原まで歩いてきました。

センター前の園地ではどこからともなく「ピョピョピョ…」と早口な鳥の鳴き声がします。

ヒバリの飛翔
〈空高く舞うヒバリ〉

空高く舞い上がる、ヒバリのさえずり飛翔はこの時期ならではの光景。
霧ヶ峰の広々とした空をバックにどこまでも飛んでいきそうです。

草原と大空
〈15m位上昇していました〉

歩いていると、地面から湧き立つほのかな熱気と共に乾いた土や草の香りが、ふと、してきました。
この香りを嗅ぐと、山に春が来たことを感じるのですが、
自然の中を歩いていると五感が研ぎ澄まされていろいろなものが感じられます。

林の中では、木々の間から差し込む日差しを受けて、小さな花々が開花していました。
センター近くの林ではタチツボスミレ、ゴマ石山~沢渡の林の中ではヒメイチゲ。

タチツボスミレ
<タチツボスミレ>
岩の陰で咲くヒメイチゲ
<ヒメイチゲ>

上の写真の中で、どこに咲いているか探してみてください。

ヒメイチゲと一円玉
<一円玉を置いてみました>

ヒメイチゲは蕾がほんのりピンクで、この姿も可憐です。

ヒメイチゲ蕾
<ヒメイチゲの蕾>

この日は他にこんな植物を見つけました。

キジムシロ
<キジムシロ>
サクラスミレ
<サクラスミレ>

地面から4~5センチ以内の高さで展開している小さな植物たち。
小さくても成長している植物たちの姿を見ると生命力を感じます。
是非、足元にも目を向けて歩いてみてください。

最後に、ゴールデンウィーク中は駐車場の混雑が予想されます。
車山肩や八島湿原駐車場に停められなかった場合は、霧ヶ峰自然保護センター付近の駐車場もご利用ください。

地図はこちらです。

ちなみに、今回歩いたコースでは帰りにバスを利用しました。
バスについては「お知らせ」のページに載せているので、バスをご利用の方はこちらをご覧ください。

ノビタキに出会える春

2023.04.17

4月に入り動物たちの動きが活発になってきました。
目立つのは鳥たちで、ヒバリ、ウグイス、キジ、コゲラの鳴き声がセンター周辺でよく聞こえてきます。

そして霧ヶ峰を代表する鳥、ノビタキの姿が霧ヶ峰に戻ってきました。

ノビタキ
<ノビタキ>

ノビタキは渡り鳥で、霧ヶ峰には春から秋にかけて生活します。
シーズン中は頻繁に目にする鳥ですが、私はいつも長い冬を終えノビタキに出会える春が待ち遠しいです。

枝にとまるノビタキ
〈レンゲツツジにとまるノビタキ〉

ノビタキのさえずりは抑揚の付いた高い音色。
さえずりは、求愛や縄張りを主張するための鳴き声で、草原のあちこちで聞こえきます。
これから繁殖シーズンを迎えますが、先日車山湿原で、三羽がバサバサと飛び交っている様子を目撃しました。
メスをめぐる争いかもしれません…。

車山湿原
<車山湿原>

車山湿原では春一番に咲くザゼンソウの姿を見つけに訪れたのですが、「あれ?少ない」という印象でした。

ザゼンソウ
<上端だけ地表にあらわれている姿も面白いです>

少し寂しい気がしますが、自然のものですので毎年同じということは全くありません。またそれが自然を見る楽しさでもあります。

さて、4月14日に霧ヶ峰パークボランティアの方と共に館内の大掃除をしました。

館内の大掃除
<昨年リニューアルした展示室>
テラスの大掃除
<昨年新設したテラス>

館内を丁寧に掃除し、展示物を元に戻すと、春がやってきたことを実感します。

1973年に開館し昨年リニューアルしたセンターは、開館50周年となる節目の年。
新しい企画も用意したので、是非お立ち寄りください。
今年度もスタッフ一同皆様のご来館をお待ちしております。

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