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記事一覧(月: 2021年7月)

昆虫ひしめく霧ヶ峰の夏

2021.07.30

夏は昆虫たちが活発に行動しています。
草むらを覗いてみるとチョウやハチ、甲虫などさまざまな昆虫がいます。

アキアカネ
〈アキアカネ〉
ナミテントウ
〈ナミテントウ〉
ヒナバッタ
〈ヒナバッタ〉
マメコガネ
〈マメコガネ〉

ふと足元を見ると、胸部の赤色が目立つ虫を発見!

甲虫

体長は10mmくらいです。
これはホタル?!と思い観察して見ると、触角が長く切れ込みが特徴的です。

オバボタル

オバボタルです。
ホタルと言えばゲンジボタルやヘイケボタルがよく知られていますが、彼らのように発光したり、水辺で生活するわけではありません。
センターのすぐ近くで見かけたのですが、その場所では以前によく発光するホタルを見かけたことがあるので、霧ヶ峰にも何種類かのホタルが生息しているようです。

さて、昆虫たちは花の蜜などを求めてよくやってきます。

ノアザミは昆虫たちに大人気。

ノアザミにとまるハチ
〈ノアザミを吸蜜するトラマルハナバチ〉

写真のトラマルハナバチは体に花粉を付けていますが、このノアザミ、昆虫などが上に乗って刺激が加わると、雄しべから白い花粉が出てくる仕組みになっています。

効率的に花粉を昆虫に運ばせる手段なのでしょう。
植物のつくりはそれぞれよくできていて知れば知るほど面白いです。

生き物たちがひしめく霧ヶ峰。
夏休み中は家族でいらっしゃる方が多いですが、大人の方も小さなお子さんと同じくらいの目線で草むらを見ると、いつもとは違った光景が広がっているかもしれません。

ニッコウキスゲ開花状況(2021年7月25日)

2021.07.25

花の盛りの季節、この連休は多くの人出がありました。
日差しは暑くても涼やかな風が吹き抜ける霧ヶ峰で、夏のひと時をみなさん楽しまれたのではないでしょうか。

ニッコウキスゲとビーナスライン

今年の車山肩の群生は花数が例年より少なくちょっと寂しいですが、車山肩から車山山頂に向かう
あたりでは群落を作っています。
ピークは少し過ぎ、見ごろは7月一杯くらいになりそうです。
ニッコウキスゲを見たい方はお早めにどうぞ。

車山肩群落ではニッコウキスゲの他にノアザミの群落も見事です。
ここまでノアザミが群落を作る光景というのも珍しいのではないでしょうか。

ニッコウキスゲとノアザミ

他にはハナチダケサシやイブキトラノオ、ツリガネニンジンやオオババギボウシなどが咲いています。
さらによく見ると、赤茶色の花をたくさんつけるシュロソウも咲いています。

ハナチダケサシ
〈ハナチダケサシ〉
ツリガネニンジン
〈ツリガネニンジン〉

コバギボウシ
〈オオバギボウシ〉
シュロソウ
〈シュロソウ〉

訪れる方はこの景色を見て、綺麗だと話されていたり写真を撮ったりしていました。
お花畑を見ていると、心が穏やかになるような気持ちがします。
一般的に、山で花が群落を作る様子を「お花畑」といいますね。
霧ヶ峰では一部試験的に植栽をしているところがありますが、他の場所は自然に咲いているものです。

ニッコウキスゲの群落

もともとは、霧ヶ峰は昔から採草地として利用され、草刈りや火入れが繰り返されて今のような景観が作られましたが、近年は二ホンジカが花や芽を食べてしまう「食害」が深刻なことから電気柵で保護しています。
さらに、草刈りをすることで花芽が出やすくなる効果があります。
この場所も草刈りを行った場所です。

さて、ビーナスラインS字カーブあたりに昨年新たに電気柵を設置した場所があります。

電気柵を設置してある草原


草刈りと電気柵の効果か、近年見られなかった草花の開花を確認できました。
昨年はニッコウキスゲの花が見られることはなかったのですが、今年は少し開花していました。
その他にはヤナギランも。
地中に埋まっていた種が発芽し成長したのでしょう。

電気柵の内側のニッコウキスゲ

人が手入れを続けることは大変ですが、続けていればこの場所も以前のような光景が広がるかもしれません。

ニッコウキスゲ開花状況(2021年7月17日)

2021.07.17

今日は朝から快晴で広々とした景色が広がっていました。
久しぶりに富士山、八ヶ岳、南・中央・北アルプス、御嶽山、乗鞍岳、遠くは妙高山のあたりまでよく見えました。

青空と山並み
〈センターから車山肩へ向かう途中で。八ヶ岳・富士山・南アルプス〉
〈センターから車山肩へ向かう途中で。御嶽山とグライダー〉

上空ではグライダーが大空を飛行(写真は忘れ路の丘のグライダー滑走路です)。
訪れた方は夏の霧ヶ峰らしい景色を味わえたのではないでしょうか。
そして、霧ヶ峰の夏の風物詩、ニッコウキスゲの開花状況です。

自然保護センター周辺 見頃(開花数は例年より少なめ)
八島ヶ原湿原 見頃
車山肩 見頃 (開花数は例年より少なめ)
車山高原 見頃過ぎ
富士見台 見頃過ぎ

〈青空の元咲くニッコウキスゲ〉

見頃を迎えていますが、気温の高い日が続き開花が進みそうです。
あと一週間くらいは花を楽しめるかと思いますが、今年は場所によって開花数に差があります。
例年、ニッコウキスゲが多く見られる車山肩ビーナスの丘は少なめなのですが、その周辺でも車山山頂に向かって登っていった上の辺りはよく咲いています。

車山山頂へ向かう道
〈車山山頂へ向かう道〉
〈車山山頂へ向かう登山道右手側〉

この辺りは電気柵で囲うだけではなく、ササ刈りを行っています。
ササを刈り取ることで新芽の成長を促す効果があります。
車山肩を訪れた際にはぜひこちらにも足を延ばしてみてください。

車山肩ビーナスの丘では、とある方のオンステージが♫

〈ホオアカ〉

毎年この時期になると、遊歩道側の杭の上で歌声を聞かせてくれるホオアカ。
他の場所で見かけるホオアカは人が近づくと大抵逃げていくのですが、このホオアカは、観光客の方が撮影をしても逃げず、素敵な歌声を披露してくれます。

その他に、ノビタキやビンズイも電気柵や梢の上で高らかに囀り、さながら歌合戦?のようです。
下の写真のビンズイも大抵は人が近づくと逃げていくのですが、この時は近くで観察できました。

〈ビンズイ〉

始まったばかりの霧ヶ峰の夏。
散策を楽しまれる方も登山をされる方も、霧ヶ峰には木陰が少ないので、
紫外線・熱中症対策をしたうえで、高原の夏を楽しんでくださいね。

ニッコウキスゲ開花状況(2021年7月11日)

2021.07.11

今朝は久しぶりの青空が見られ、梅雨の中休みといった感じです。
霧や雨の時とは違う夏の空気、夏の匂いを感じます。
ヒョウモンチョウの仲間やセセリチョウ、クジャクチョウなど蝶たちが活発に動き回り、夏の訪れを告げています。

青空と草原
〈第一園地より〉
紫色のウツボグサにとまる蝶
〈ウツボグサにとまるヒメキマダラセセリ〉

様々な植物の開花が進んでいますが、ニッコウキスゲも徐々に花数が増えてきました。
開花状況はおおよそ以下の通りです。

車山高原 4割程
富士見台 3割程
自然保護センター周辺 2割程
八島ヶ原湿原 4割程
車山肩 2割程

今年は天候の影響か、花芽の数が例年より少なめですが、それでも数多くの花が咲き、訪れる方の目を楽しませています。
車山高原、八島ヶ原湿原はそろそろ見頃となりそうです。
観光客の方も多くなってきたので、場所によっては駐車場が満車になり、駐車待ちになることもあります。
時間に余裕持ってお越しいただき、この景色を楽しんでいただきたいです。

ニッコウキスゲ
〈八島湿原のニッコウキスゲ〉
ニッコウキスゲの群生
〈富士見台〉

このニッコウキスゲ。
20年程前までは霧ヶ峰一帯で群生が見られましたが、現在はシカ侵入防止柵の中でないと見られなくなってしまいました。
シカは特にニッコウキスゲの蕾や咲いた花を好んで食べますが、観光資源でもあるニッコウキスゲを保護するため、霧ヶ峰のいくつかの場所には電気柵や鋼鉄柵を設置しています。

電気柵で保護しているニッコウキスゲ
〈センター周辺〉
電気柵の近くのニッコウキスゲ
〈電気柵側のニッコウキスゲ〉

さて、上の写真はビーナスラインのすぐ側ですが、道路脇のチェーンより中に入ってニッコウキスゲを撮影される方がいらっしゃいます。
近くで撮影したい気持ちもわかりますが、足元の草花を踏みつけることに繋がり、それが続くと裸地化し植物が育たなくなってしまします。

そこにある自然を楽しむだけでなく、自分に何ができるかを考えてみると、自然を見る見方が変わってくるかもしれません。

ニッコウキスゲ開花状況(2021年7月5日)

2021.07.05

梅雨入りが遅かったせいか、7月に入ってから雨降りの日が続いています。
白い霧の中、ニッコウキスゲの橙色が冴え冴えとしています。

霧の中で咲くニッコウキスゲ
〈富士見台のニッコウキスゲ〉

霧ヶ峰のニッコウキスゲの開花状況(7月5日現在)です。

車山高原 2~3割程
富士見台 1割程
自然保護センター周辺 1割程
八島ヶ原湿原 1~2割程
車山肩 咲きはじめ

前回のブログでお伝えしましたが、見ごろは例年通り7月中旬頃になりそうです。

ニッコウキスゲの蕾
〈車山肩のニッコウキスゲ蕾〉

蕾自体は例年より少し少なめに見えましたが、上の写真のように、蕾を付けたものはいくつもありました。
始めは小さな蕾も、1~2週間位かけて少しづつ膨らみ開花の準備を進めます。

さて今日は園地で、ボランティアの方が花の名前を記した札を取り付けました。
新たに開花している花の札を取り付けたり、咲き終わった花の札を抜いたり。
1週間もすると様々な変化があります。

開花状況は、1週間、いや数日、いえいえ刻々と移り変わっています。

今日、センター周辺ではこの花が目につきました。

ウツボグサ
〈ウツボグサ〉
イブキジャコウソウ
〈イブキジャコウソウ〉

イブキジャコウソウは西洋のハーブ・タイムの仲間で、触ると爽やかな香りがします。
私はこの花を見つけるとついつい触って匂いを嗅いでしまいます。

霧ヶ峰に限りませんが、自然の中を歩いていると色々な香りを感じませんか。

霧が立ち込め視界が遮られるような日は、遠くの景色は見えず残念ですが、鮮やかな色あいや香りが、視覚や嗅覚に訴えてきます。

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