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ススキの花が見頃です

2023.08.19

お盆を過ぎれば暑さを忘れると言いますが、今年の夏はそう思えないくらいの暑さですね。
この先もまだ残暑が厳しいようですが、これを書いている私は涼しい霧ヶ峰でお仕事をしているので、有難いことです…。

霧ヶ峰では、冒頭の言葉通り暑さが和らぎ、あっという間に秋の空気に変わってしまいました。
朝晩は15℃位で冷たい空気を感じるほど。
植物も景色も秋の様子に移り変わっています。
今回のブログでは、センター前の園地の様子を紹介します。

ピンクと黄色の花
〈マルバハギとアキノキリンソウ〉

秋らしい組み合わせです。アキノキリンソウ、とその名前を口にするだけで秋モードな気分です。写真のアキノキリンソウは開花し初めですね。

こちらは園地の入り口付近のマツムシソウです。

点在する紫色のマツムシソウ

マツムシソウの花期は長いので7月下旬から咲き始めましたが、あと1週間くらい見ごろが続きそうです。シカに食べられないよう電気柵で保護しているので近くであまり見えないのですが、園地の入り口で咲き方がよく分かる株を見つけました。

小さい花が1つ開花
真ん中はまだ蕾
真ん中も開花
咲き終わって球体が残る

1つの花が咲いて終わるまで、姿がどんどん変わって面白いです。

ススキ原
<風でサラサラ揺れています>

草原はここ一週間ほどでススキがぐーんと伸びて穂が出てきました。
こちらもじっくりと見ていただきたのですが、このススキ、今が開花シーズンです。

昨年のブログでもお伝えしましたが、その時は開花の終盤でした。今年は注目して見ていると、今まさにあちこちでススキが開花中なことに気が付きました。

ススキの穂から飛び出す小さな粒
穂からぶら下がる小さい粒
<穂からぶら下がる小さな物体は…?>

ぶら下がっているものが葯です。このあと綿毛になって10月頃になると一面銀色になります。
1つの植物の移り変わりに注目するといろんな発見がありますね。

最後に、見た目がユニークな虫を紹介します。

木の枝に乗っている角のある生きもの

何に見えますか?カブトムシ?セミ?
木をちょこまかと歩く、黒い角を持つ悪者(?)のような見た目の生きもの。体長は1センチ程です。

大きな角を持つニトベツノゼミ

ツノゼミの仲間で、ニトベツノゼミです。幼虫も成虫も植物の汁を吸うのですが、ニトベツノゼミはマユミの木の樹液を吸い生活します。枝には小さな小さな抜け殻も。
写真で見せたかったのですが、手に持っていたら風で飛ばされてしまい、とても小さいので見つかりませんでした…。残念ですがそれくらい小さかったのです。

他にも抜け殻が無いかマユミの木を探していると、様々な種類の虫がいる事に気が付きました。

ひとつ屋根の下、いろいろな生きものたちが生活している大きな家のように感じられます。

ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月2日】

2023.07.02

昨日までの雨風でレンゲツツジの花が落ちてしまいましたが、入れ替わるようにニッコウキスゲの花が増えてきました。

・富士見台…1割
・八島ヶ原湿原…1~2割
・車山肩…咲き始め
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…咲き始め
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

なだらかな山と黄色の花
〈富士見台・7月2日撮影〉
青空と草原
<富士見台>
長く伸びた黄色の蕾
<茎も蕾も伸びてきました>

5月の火災で日が入った富士見台ですが、ニッコウキスゲはぐんぐんと成長中。
霧ヶ峰の中では見ごろになるのが早い場所で、今は一割程度ですが、あと3日ほどで一気に開花数が増えそうです。
花自体は一つの茎に6~7個ほどついていて入れ替わり立ち代わり咲くので、しばらく楽しめるかと思います。また、霧ヶ峰全体では例年通り7月中旬に見ごろとなりそうです。

草むらに黄色の花
<八島ヶ原湿原・6月30日撮影>
ニッコウキスゲ
<八島ヶ原湿原・ニッコウキスゲ>

草原全体も青々としてきて、様々な植物が草原を彩っています。
草むらからは虫たちの鳴き声も聞こえ、八島ヶ原湿原では水色が美しいトンボを見つけました。

青色のトンボ
<イトトンボの仲間です >

いよいよ夏が来るなぁとワクワクする気持ちでいっぱいです。

最後に、この夏は恒例のイベント「ナイトウォーク」の他、セイヨウタンポポなどを使った紙すきイベントも企画しました。
親子で楽しめるイベントを色々用意したので、是非ご参加をお待ちしております。
詳しくはお知らせのページをご覧ください。

八島ヶ原湿原の花々(2023.5.19)

2023.05.21

先日八島ヶ原湿原を歩いてきました。広場では中学生が昼食をとっていて遠足でしょうか、とても賑やかでした。

その広場の傍らにキジムシロを見つけました。

円状に広がる黄色い花
〈キジムシロ〉

霧ヶ峰では5月頃から咲く花ですが、名前の通りキジが腰を掛けるのにちょうど良さそうな、お洒落な座布団のように見える植物です。
花をじっくり見ていると、ハムシやアブがせわしなく動き回っていました。

花にとまるアブ
<吸蜜中>

こちらも賑やかにお食事中ですね。

八島ヶ池、鬼ヶ泉水、鎌ヶ池ではシュレーゲルアオガエルの鳴き声が響き渡っていて、池のほとりには、小さな小さな植物が開花しています。

池と浮島
<八島ヶ池>
白い花
<ミズゴケ上に生えるタテヤマリンドウ、手前は蕾>

木道上から見ると小さな白い点にしか見えませんが、双眼鏡や望遠レンズで覗くと小さな白いリンドウが目に飛び込んできます。
タテヤマリンドウです。
ハルリンドウの変種とされ、亜高山・高山地帯の湿地に生える高さ5センチ程のリンドウです。花の色は淡い青~白ですが、霧ヶ峰で見られるものは白が多いです。

旧御射山(もとみさやま)神社まで来ると、「⁉」不思議な様子に目を奪われました。

左側が緑、右側が白い木
<右側だけ白いアオナシの木。「やまなしじいさん」の名前で親しまれています>

アオナシの木が半分だけ満開だったからです。日当たりの関係でしょうか…。
社の周りの足元にはニリンソウ。白い花を縁取るようにほんのり淡いピンク色をしています。

ニリンソウ
<葉はトリカブトに似ています>
ほんのりピンクのニリンソウ
<ほんのりピンク色のニリンソウ>

ニリンソウは、北海道~九州にかけて生息する植物ですが、北海道を舞台にした漫画、ゴールデンカムイの中にも登場しますね。
アイヌの伝統料理オハウ(鍋料理)に入れるシーンが美味しそうで、どんな味かと気になります…。

これからゼンマイやコゴミ、タラの芽など美味しい山菜が出てくる季節ですが、霧ヶ峰では採取することはできません。
ですが、本来自然とは人々にとって必要不可欠なものです。
衣食住あらゆるものは、自然を利用しているからです。

いきいきとした植物やそれに集まる生きものを見ていると、生きる力が感じられます。

地面から顔を出すシダ植物
青空に映える若葉

踊場湿原の草紅葉

2022.09.22

一雨ごとに秋が深まっています。
9月22日朝9時の気温は15℃、昨日から今朝までの最低気温は9℃でした。
朝晩は特に冷え込み肌寒いです。

ススキとオレンジに色づく草紅葉
〈踊場湿原〉

霧ヶ峰では草が色づく草紅葉が見ごろになってきました。
踊場湿原ではパッチワークのように様々な色がちりばめられていてひとつの大きな作品のよう。

池と草紅葉
<アシクラの池周辺>
湿原が橙、黄色に染まる
<湿原中央>

黄葉している植物は間もなく枯れる運命にありますが、多年草(ふつう2回以上開花・結実する)の植物の場合、地上部分が枯れても根は生きていて、地下で次の春を待ちます。
また一年草は発芽後一年以内に枯れますが、その間に開花し種を付け、次の世代に繋げます。

薄茶色の種を付けたシシウド
<シシウドは多年草ですが、花を咲かせ実をつけるのは一度きり>

植物はそれぞれのサイクルで生命をつないでいます。

枯れるのは終わりではなく、はじまりと言えるかもしれません。

さて、踊場湿原の周辺はぐるっと一周散策することができます。
八島湿原や車山湿原と違って、湿原の周りにススキ原が広がっているのが特徴です。

曇り空の踊場湿原
<ススキが広がる踊場湿原>

このススキですが、秋に注意してほしいのはこれです。

ススキの葉がちまきのように巻かれていて面白い形なのですが、これには絶対触れないでください。
この中にはカバキコマチグモという毒グモが営巣しています。

ススキ
<ススキの葉を利用し営巣します>

触ると皮膚が腫れひどい痛みが出るそうなので、触れないよう注意してください。
探して見つけられると面白くもありますが…。

さらにススキが生える足元には、ウメバチソウハナイカリなどかわいらしい花々が咲いていました。

五枚の花弁の白いウメバチソウ
<ウメバチソウ:撮影9月22日>
トゲトゲした形の小さな花をたくさんつけるハナ
<ハナイカリ:撮影9月22日>

この連休は天候が雨や曇りの予報ですが、曇りや雨の日の景色は晴れの日とは違った景色を味わえます。

ススキひとつとっても、天候によって銀色(晴れ)、黄金色(曇り)、黒(雨や霧)とその時によって見え方が違うのが不思議です。

防寒対策をして、是非秋の深まる霧ヶ峰を歩いてみてください。

霧ヶ峰の蝶たち

2022.07.26

ニッコウキスゲのピークは過ぎましたが、今まさに花盛りの季節です。
センター前の園地では、シシウドやチダケサシ、ノアザミにヤナギラン、コオニユリ、ツリガネニンジンなど鮮やかな色や形の花々が楽しいです。

花の盛りのこの時期は、蝶や蜂などの昆虫があちこち飛び交い賑やかです。

この時期よく見かけるのは、ヒョウモンチョウの仲間たち。

ノアザミにとまるウラギンヒョウモン
〈ノアザミを吸蜜中〉

こちらはウラギンヒョウモン。
裏(羽を閉じたときに外側になる方)の白い模様が鮮やかです。

個性豊かな蝶たち。

この日歩いて見つけたのは、ジャノメチョウ、ルリシジミ、アサギマダラなど。

ジャノメチョウ
<ジャノメチョウ>
ルリシジミ
<ルリシジミ>
アサギマダラ
<アサギマダラ>

アサギマダラは霧ヶ峰ではヨツバヒヨドリの花の蜜を吸っていることが多いです。

さて、こちらは葉の上に卵が3つあるのですが、どこにあるかわかりますか?

葉についている卵
〈葉っぱの上に1、2、3〉

赤みを帯びているものはもうすぐ羽化する卵。
直径1ミリほどの小さな小さな命です。
この卵はモンキチョウでムラサキツメクサに産み付けられています。
モンキチョウの食草(幼虫が食べる植物)はマメ科の植物ですが、食草は蝶の種類により異なります。

成虫は幼虫が食べる草に卵を産み付けるのですが、成虫は特定の植物を識別する能力を持っているということです。
不思議ですね。
モンキチョウもそうですが、皆さんの身近なところでも観察できるチョウはたくさんいるでしょう。
是非観察してみてください。

最後に、霧ヶ峰で見られる蝶の中には絶滅危惧種も含まれます。
採取せずに「見る」(写真に撮る)だけにしていただくようお願いします。

ニッコウキスゲ開花状況(2022年7月7日)

2022.07.07

霧ヶ峰全域でニッコウキスゲが見頃を迎えています。

ニッコウキスゲ橙色の群落
〈車山肩〉
ニッコウキスゲ群落
<富士見台>

霧ヶ峰で現在ニッコウキスゲがまとまって見られるのは、防鹿柵で囲まれている八島ヶ原湿原、霧ヶ峰自然保護センター周辺、車山肩、富士見台、車山高原です。

ニッコウキスゲ見られる場所
<ニッコウキスゲの群落が見られるのは防鹿柵の中です>

この見頃は1週間から10日ほど続きそうです。

花盛りの季節。八島ヶ原湿原で様々な花が目を楽しませてくれます。

紫に黄色のラインが入ったノハナショウブ
<ノハナショウブ>
紫色のノアザミ
<ノアザミ>
白いオオカサモチ
<オオカサモチ>

昆虫たちもいつの間にか増えてきました。

オオカサモチに集まる虫
<オオカサモチにはあちこちで吸蜜中の虫たちがいました>

センター周辺ではヒョウモンチョウやシジミチョウの仲間が増えてきました。

自然の移り変わりのスピードに置いて行かれないよう観察しつつ、今後も自然情報をお伝えしていきます。

今年のニッコウキスゲは?

2022.06.26

先日までまだ咲いていると思ったレンゲツツジですが、
ここ数日の強風であっという間に花が落ちてしましました。

かと思えば早くもニッコウキスゲがポツポツと咲きだしていました。
センター前の園地では、ここ数年6月末に開花を確認していましたが、今年は6月20日頃に開花を確認しました。

草原に咲くニッコウキスゲ
〈センター前の園地で〉

ニッコウキスゲの見頃は例年7月中旬頃。
見頃は年によって異なりますが、気温の高い日が続けば今年は7月上旬に見ごろになるかもしれません。

ニッコウキスゲと小さな虫
<ニッコウキスゲ>

ちなみに、この写真のニッコウキスゲの茎に白いものがついていますが何だと思いますか?

実は、これはアブラムシの一種でキスゲフクレアブラムシといい、ニッコウキスゲから出る汁を吸って生きています。
小さな虫が集まった様子に、ゾワゾワと感じる人もいるかもしれません。
ぎっしりと「密」状態であまり動きがありませんが、窮屈に感じないのでしょうか…。
ですが、たまに歩いている姿を見かけることがあり、一列になってちょこちょこと歩く様子は面白いです。

ニッコウキスゲ以外にもいつの間にかさまざまな植物が開花していました。

アヤメの株
<アヤメ>

アヤメ、イブキトラノオ、キバナノヤマオダマキなど。

白くて細長いイブキトラノオ
<イブキトラノオ>
キバナノヤマオダマキ
<キバナノヤマオダマキ>

キバナノヤマオダマキは毎朝確認する百葉箱の下に咲いていました。
咲いてみないと気付かない花がいくつもあります。
日々植物の変化が楽しめる季節です。是非ゆっくり散策してみてください。

秋を感じる八島湿原

2021.08.10

今日は温帯性低気圧に変わった台風の影響か、風が少しあり湿った空気が感じられます。

木道
〈八島ヶ原湿原〉

八島ヶ原湿原には少し霧がかかりしっとりとしています。
ノリウツギは梅雨時期に咲いていましたが、またあちこちで開花しています。

ノリウツギと八島ヶ池
〈八島ヶ池とノリウツギ〉

湿原内はすでに秋の気配が漂っています。
オミナエシは秋の七草のひとつですし、種を付けている植物も多いです。

オミナエシ
〈オミナエシ〉
シシウド
〈種を付けたシシウド〉

シシウドはパラパラとした紫色の種が綺麗なのですが、あれ?種の上に何か虫がいます。
どこにいるか分かりますか?

シシウドの種のアップ
〈紫色の種〉

これです。キアゲハの幼虫ですね(ピントが合っていなくてすみません)。

鮮やかな芋虫
〈キアゲハの幼虫〉

霧ヶ峰ではシシウドやノダケなどの植物を食草とし、よく見かけます。
幼虫を眺めてみるとオレンジや黒が目立って見えますが、遠目から見ると意外と気が付きません。
鳥などに狙われやすい虫にとっての戦略なのでしょう。

さて、植物たちは生きるためにどんな戦略があるのでしょう。

ヤナギランの花
〈ヤナギラン〉

このヤナギラン、はじめは雄しべがある雄花で、雄しべがしおれてくると白い雌しべが出てきます。
自家受粉を防ぐための工夫なのでしょう。
花によって、雄花雌花が別々にあるもの、雄花が雌花に変化するものなど様々です。
植物の仕組みは面白いです。

木道近くのヤナギラン
〈木道沿いのヤナギラン〉

このヤナギランは背の高い花ですが、強風で倒れてしまっていました。
折れていなければ日差し共に復活するでしょう。

花々を見ていると盛夏を過ぎた印象ですが、一つ一つの花を見ているといろんな発見があり面白いです。
ぜひゆっくり散策してみてください。

昆虫ひしめく霧ヶ峰の夏

2021.07.30

夏は昆虫たちが活発に行動しています。
草むらを覗いてみるとチョウやハチ、甲虫などさまざまな昆虫がいます。

アキアカネ
〈アキアカネ〉
ナミテントウ
〈ナミテントウ〉
ヒナバッタ
〈ヒナバッタ〉
マメコガネ
〈マメコガネ〉

ふと足元を見ると、胸部の赤色が目立つ虫を発見!

甲虫

体長は10mmくらいです。
これはホタル?!と思い観察して見ると、触角が長く切れ込みが特徴的です。

オバボタル

オバボタルです。
ホタルと言えばゲンジボタルやヘイケボタルがよく知られていますが、彼らのように発光したり、水辺で生活するわけではありません。
センターのすぐ近くで見かけたのですが、その場所では以前によく発光するホタルを見かけたことがあるので、霧ヶ峰にも何種類かのホタルが生息しているようです。

さて、昆虫たちは花の蜜などを求めてよくやってきます。

ノアザミは昆虫たちに大人気。

ノアザミにとまるハチ
〈ノアザミを吸蜜するトラマルハナバチ〉

写真のトラマルハナバチは体に花粉を付けていますが、このノアザミ、昆虫などが上に乗って刺激が加わると、雄しべから白い花粉が出てくる仕組みになっています。

効率的に花粉を昆虫に運ばせる手段なのでしょう。
植物のつくりはそれぞれよくできていて知れば知るほど面白いです。

生き物たちがひしめく霧ヶ峰。
夏休み中は家族でいらっしゃる方が多いですが、大人の方も小さなお子さんと同じくらいの目線で草むらを見ると、いつもとは違った光景が広がっているかもしれません。

ニッコウキスゲ開花状況(2021年7月11日)

2021.07.11

今朝は久しぶりの青空が見られ、梅雨の中休みといった感じです。
霧や雨の時とは違う夏の空気、夏の匂いを感じます。
ヒョウモンチョウの仲間やセセリチョウ、クジャクチョウなど蝶たちが活発に動き回り、夏の訪れを告げています。

青空と草原
〈第一園地より〉
紫色のウツボグサにとまる蝶
〈ウツボグサにとまるヒメキマダラセセリ〉

様々な植物の開花が進んでいますが、ニッコウキスゲも徐々に花数が増えてきました。
開花状況はおおよそ以下の通りです。

車山高原 4割程
富士見台 3割程
自然保護センター周辺 2割程
八島ヶ原湿原 4割程
車山肩 2割程

今年は天候の影響か、花芽の数が例年より少なめですが、それでも数多くの花が咲き、訪れる方の目を楽しませています。
車山高原、八島ヶ原湿原はそろそろ見頃となりそうです。
観光客の方も多くなってきたので、場所によっては駐車場が満車になり、駐車待ちになることもあります。
時間に余裕持ってお越しいただき、この景色を楽しんでいただきたいです。

ニッコウキスゲ
〈八島湿原のニッコウキスゲ〉
ニッコウキスゲの群生
〈富士見台〉

このニッコウキスゲ。
20年程前までは霧ヶ峰一帯で群生が見られましたが、現在はシカ侵入防止柵の中でないと見られなくなってしまいました。
シカは特にニッコウキスゲの蕾や咲いた花を好んで食べますが、観光資源でもあるニッコウキスゲを保護するため、霧ヶ峰のいくつかの場所には電気柵や鋼鉄柵を設置しています。

電気柵で保護しているニッコウキスゲ
〈センター周辺〉
電気柵の近くのニッコウキスゲ
〈電気柵側のニッコウキスゲ〉

さて、上の写真はビーナスラインのすぐ側ですが、道路脇のチェーンより中に入ってニッコウキスゲを撮影される方がいらっしゃいます。
近くで撮影したい気持ちもわかりますが、足元の草花を踏みつけることに繋がり、それが続くと裸地化し植物が育たなくなってしまします。

そこにある自然を楽しむだけでなく、自分に何ができるかを考えてみると、自然を見る見方が変わってくるかもしれません。

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