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ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月5日】

2023.07.05

ニッコウキスゲの開花が少しずつ進んでいます。

・富士見台…3割程
・八島ヶ原湿原…2~3割程
・車山肩…1割程
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…1~2割程
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

黄色の花が埋め尽くす草原
〈富士見台〉
草原と雲海
<富士見台より・八ヶ岳と雲海>
色鮮やかな黄色の花
<ニッコウキスゲ>

富士見台では、開花数が増えていています。撮影した時は雲海が見えていたのと、涼やかな風が吹き抜けていたので、「天空のお花畑…」と思えるような景色が広がっていました。この景色を見ていたら、優しく包まれているような感覚を覚えたのですが、自然の持つ力は雄大です。

電気柵に囲まれた場所
<車山肩・電気柵内の様子>
パラパラと咲くニッコウキスゲ
<車山肩・蕾はいくつもあります>

車山肩はまだ開花数は少なめですが、蕾はいくつもあるのであと10日ほどで見頃になりそうです。

草原からは、ノビタキやホオアカ、ビンズイなど野鳥の鳴き声があちこちから聞こえてきます。
その中でも「ビィービィービィー」と聞こえるノビタキの幼鳥の鳴き声が目立ちます。近くでは親鳥の姿も。子どもたちの近くで、しっかりと見守っているようです。

ススキにとまる茶色の鳥
<ノビタキの幼鳥>
杭にとまる白と黒色の鳥
<ノビタキのオス>

動物に植物、たくさんの命があふれる季節です。是非さまざまな動植物の様子を観察してみてください。

レンゲツツジ開花情報【2023年6月2日】

2023.06.03

踊場湿原でレンゲツツジが開花しました。レンゲツツジは標高1,500mあたりで咲くツツジ科の落葉低木で、日当たりの良い草原に自生しています。

朱色のレンゲツツジと山並み
〈踊場湿原南側の丘のレンゲツツジ〉

踊場湿原では、例年6月に入ってから開花することが多いのですが、気候の変動で年々早まっている印象です。昨年は5月末にだいぶ開花していたので、それよりは遅いのですが、例年という表現が難しい今日この頃…。
植物たちは気候に合わせて成長しているのにすぎませんが、動植物の動きを敏感に感じることで、人間は季節を実感しているのだと思わされます。

お問い合わせの多いレンゲツツジですが、現在は白樺湖周辺で見頃で、霧ヶ峰全域で見ごろになるのは、6月中旬以降となりそうです。センター周辺のものはまだ蕾のため、開花するのは1週間程先になりそうです。

さて、踊場湿原ではレンゲツツジの他、木々の緑と白い花たちが瑞々しいです。

駐車場近くやレンゲツツジ群生地の南側の丘で咲いていたのは、キンギンボク

白い細長い花を咲かせる
<細長い花弁が特徴>

スイカズラ科の落葉低木で、花の咲き始めは白く、その後黄色が混在することが名前の由来だとか。
別名はヒョウタンボク。こちらの名前は、真っ赤な実が二つ並んだ様子から付けられたようですが、実には毒があります。

湿原を彩るように生えている木は、ズミ

白い花を咲かせる
蕾と咲き始めはピンク色
<蕾の赤、咲き始めのピンク色も綺麗です>

バラ科の木で、白い花を沢山つける様子はとても華やかです。

ふとした時に甘く香ることがあって、惹きつけられます。香りは五感を刺激する要素の一つ。
写真では伝わらないので是非霧ヶ峰を歩いて感じてみてください。

こちらも白い花を咲かせるミヤマザクラ

葉の上に白い花
<青々とした葉と白い花>

葉が先に出てから花を咲かせる種類のヤマザクラです。
水分を蓄えた青々とした葉と白い花、長い蕊が凛としていて見入ってしまいます。

木々の根元にはマイズルソウが少し開花していました。

小さな白い花
<開花中>
<蕾です>

全長が数センチほどの小さな植物でハート形の葉が特徴です。蕾は丸々と可愛らしく、秋に付ける実は個性的な色合いです。植物の様々な姿に注目してみると、いつでも楽しく歩けるのでお勧めです。

最後に、ホオアカの写真を。

ススキに止まる鳥
草を集める鳥
<口元にご注目♪>

巣材集めに忙しいホオアカのお母さんです。
オスに比べて、頬の赤みが淡く、胸元の模様の色合いが薄いのがメスです。
動物たちも活発に動き回るそんな季節がやってきました。

八島・車山積雪状況とウサギの大跳躍

2023.01.09

新年初のブログです。
2023年もどうぞよろしくお願いします。

昨年末に降った雪は少し溶けていますが、スノートレッキングを楽しめるほどには積もっています。

真っ白な雪原
〈八島ヶ原湿原〉

八島ヶ原湿原は、広場まではスノーブーツだけで歩けますが、木道上は圧雪されているため、チェーンスパイクや軽アイゼンを付けていた方が安心です。
今のところ木道と木道の間には隙間があるので、スノーシューだと少し歩きにくいかもしれません。

この写真を撮影した日は日差しがあり比較的暖かく感じましたが、日中は氷点下を少し上回る位の気温が多いです。

植物はドライフラワー状態になったものも。

丸い形をした植物
<長い茎の先に丸い形>

この植物は、ハバヤマボクチという植物で昨年投稿したブログでも紹介しましたが、開花時期は異彩を放つ見た目をしています。
今の時期は、オレンジ色でふわふわした様子です。温かみがあって、開花している時との違いがまた面白いです。

代わって車山周辺の情報です。晴れた日の休日は車山肩が満車になる程の混雑ぶりです。

駐車場の様子
<車山肩駐車場>

登山道は圧雪されているため、アイゼンでもスノーシューでも歩くことができます。

雪に覆われた登山道
<車山肩から車山湿原へ向かう道>
快晴の空と雪山
<スキー場のコースがある車山>

スキー場も賑わっていて、冬の霧ヶ峰は楽しみ方がたくさんあります。
人だけでなく動物たちも賑やかに活動しているようです。

たくさんの足あと
<たくさんの足あと>

こちらは前回のブログでも紹介したノウサギの足あとです。
あっちにいったりこっちにいったり足あとがたくさん!
別の場所では、こんな足あとも発見しました。

大きな足跡
<大きな足あと>

足あとと足あとの感覚が2~3mほどあり、はじめはニホンジカかと思ったのですが、こちらもノウサギのようでした。ノウサギの体長は50㎝程。凄い跳躍です。
どうしてこんなにジャンプしたのでしょうか。
敵に狙われたから?ではどうしてすぐ隣にも同じ位置に跡があるのでしょうか。
二匹同時にジャンプしたから?
答えは分かりませんが、走るのを練習していたり、遊んだりしていたのかもしれません。
遊びは動物、特に子どもにとっては生きるために必要な要素の一つです。

私たち人間も、楽しく遊ぶ時間を大切にしたいですね。
卯年の2023年、皆さんにとっても跳躍する年でありますように。

イタチと水たまり

2022.09.08

八島湿原では今、サラシナショウマやエゾリンドウ、アキノキリンソウなどが見頃です。

斜面に咲くサラシナショウマ
〈広場から右側に進んだ斜面に生えるサラシナショウマ〉

花穂が試験管を洗う白いブラシのような見た目で、風に揺れるとユラユラします。
サラシナショウマに顔を近づけると、甘い香りが。
匂いの感じ方は人によって違いますね。皆さんはどう感じるでしょうか。

歩いていると個性的な見た目の植物が目につきます。

すらりと伸びた茎
<高さは1メートル以上>

イガグリのようなトゲトゲがいくつも茎の先に付いていて、中央が開くと目玉のような姿。花はアザミに似ています。

開きはじめ
<開花しはじめ>
開花
<中央が開き開花します>

個性的な見た目で、霧ヶ峰関係者にもファンの多い(!?)ハバヤマボクチです。
名前も面白いですね。

ハバヤマとは葉場山で、草刈り場のことを指し、ボクチとは火口、つまり火種を意味するそうです。
ハバヤマボクチの葉の裏側には綿毛がついていて、火を移しとるための火種として使っていたと言われます。
草刈り場として利用されてきた霧ヶ峰に相応しい植物ですね。
よく見るとトゲトゲ(総苞片)の間にも白い綿(クモ毛)がついていますが、いったい何のためについているのでしょう。
不思議です。

さて、木道を過ぎて砂利道のところで、焦げ茶色のなにかを見つけました。

道端に何やら…
<道端に何かいる…!>

微動だにしなかったので、はじめは木の一部に見えましたが少し様子が違います。
カメラを向けてみると、なんとイタチでした。
霧ヶ峰で明るい時間にイタチを見たのは初めてでしたが、興奮を抑えつつ撮影しました。

イタチ
<イタチ>

夏毛で全体的に黒く、脚から頭までが長くヒョロッとしています。
長年出会いたかった動物に、突然出会えてとても嬉しい出来事でした。

さて、目の前には小さな水たまり…。
今年の9月は雨が多く、こんな水たまりがあちこちにできています。

イタチと水たまり
<イタチと水たまり>

イタチは、こちらの様子を気にしつつ、目の前にある水たまりの水を飲み始めました。
人がいても、水たまりの水でも、気にならないどころか、どうしても水を飲みたいように見えました。

水が必要なのは野生の生きものだけではありません。

霧ヶ峰の大地に浸みこむ水は、諏訪の人々が使う水源の一部となり、伏流水は諏訪の地酒にも利用されています。

多くの生きものの生命を支える水が、霧ヶ峰にあります。

車山湿原のザゼンソウ

2022.04.15

今年は多かった雪。ですがあっという間に解けてだいぶ減ってきました。

雪が残る車山湿原
<車山肩から車山湿原を見下ろす>

この時期に車山湿原に来たのは、この時期に咲く植物の様子を見たかったからです。
何かというと、ザゼンソウ。
霧ヶ峰では雪解け後、真っ先に咲く花です。

雪解けの水に浸るザゼンソウ
<雪解け水に浸るザゼンソウ>

湿原をぐるりと一周すると、西側の方にたくさん見つけました。

小さいザゼンソウがたくさん咲いている
<小さなザゼンソウがいくつも>
ザゼンソウ
<外側の赤い部分は仏炎苞>

ザゼンとは座禅。僧侶や達磨のイメージからつけられた名前のようです。
小人たちの帽子のようにも見え、あちこちで姿をのぞかせていてかわいいです。

自然のものなので仕方ないのですが、どれを見ても内側の花の部分が良く見えず、そっぽを向いているようでした(湿原の中には入れません)。

たくさんあるのになぜ?!とちょっと不思議です。

ザゼンソウが咲いている湿原の表面はポコポコと波打っています。

たくさんのザゼンソウ
<湿原の表面>

車山湿原は高層湿原と呼ばれ、ミズゴケなどの泥炭が厚く積もった特殊な湿原です。
一年に一ミリというわずかな量が積み重なり、また、波打った表面は凸凹を繰り返しながら成長しているといわれます。

車山湿原の正確な年数はわかっていませんが、深いところで約1.5mあるため、長い年月をかけ今の姿になったことが想像されます。
ザゼンソウも春に現れては枯れ、また新たな世代に入れ替わり、ということを何度繰り返してきたのでしょうか。
誰もいない湿原で、ふと、長い時間を感じたような気がしました。

草にとまるノビタキ
<湿原にいたノビタキ>
大空を舞うトビ
<旋回するトビ>

湿原ではノビタキの朗らかなさえずりが響き、周辺ではトビが伸びやかに舞い、気持ちよさそうです。

霧ヶ峰にも春がやってきました。

車山湿原を歩かれる方は、足元が濡れないようにして、静かな春の霧ヶ峰を味わってみてください。

冬に感じるいきものの命

2022.03.13

今日は冬季巡回の最終日でした。
霧ヶ峰の八島ヶ原・踊場・車山湿原は、国の天然記念物として大切に守られており、積雪があっても許可なく立ち入ることはできないため、霧ヶ峰パークボランティアとともに啓発を行っています。
今日巡回した踊場湿原では、柵内にスキーの跡が一部見受けられました。

雪原に入り込むスキーの跡
〈踊場湿原〉

踊場湿原はスキーのメッカとして多くのスキーヤーに利用されていた場所ですが、天然記念物に指定された1939年以降、湿原内に立ち入ることはできません。

しばらく歩いていると、登山道は雪が緩んでいて多くの場所で何度も踏み抜いて大変でした。

人の足跡
<膝上まで踏み抜くことも>
キツネの足あと
<軽々と歩く動物の足あと>

右はキツネの足跡のようですが、体の軽い小動物は雪に埋もれることなくスタスタと歩いている様子が目に浮かびます。
では、二ホンジカのように大型の動物はどうでしょうか。

大きな足跡
<大きな足跡>

これは車山湿原で撮影したニホンジカの足あとです。
雪に深く潜りこんでも軽々と斜面を駆け上がる様子を以前に見たことがありますが、人間には真似できない跳躍です。

たくましい野生動物ですが、この冬は厳しかったようです。
積雪が多かったこの冬、二ホンジカは霧ヶ峰より標高の低い場所で食べるものを探していたようですが、何頭もの個体が息絶えていました。
最近の冬と異なり、厳しい環境下で過ごしていたようです。
しかし、亡骸は他の動物の食糧となり、新たな命につながります。
自然界を間近に見ていると、命の尊さを実感します。

さて、これは何でしょう。

枝からぶら下がったドライフラワー
〈天然のドライフラワー〉

枝からぶら下がっていて、ドライフラワーを飾り付けたような見た目がかわいいです。
リョウブの木ですが、よく見ると枝先には冬芽らしきものがついていました。
暖かくなるころには、このドライフラワーは落ち、芽吹いてくるのでしょう。
季節は知らない間に冬から春へと少しずつ歩みを進めているようです。

粉雪舞う師走のはじまり

2021.12.02

今朝、霧ヶ峰に来ると、路面にうっすらと雪がありました。

路面にうっすらと雪
〈センター前の道路・ビーナスライン〉

夜間降ったのでしょうか。
積もるほどではなくサラサラの雪ですが、路面を覆っています。

12月に入り、いつまとまった雪が降ってもおかしくない季節です。
スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなど、滑り止めが必要な時期になりました。
ちなみに写真にも看板が写っていますが、八島湿原駐車場から先は冬季通行止めになっていますので、ご注意ください。

さて、今の時期は訪れる人が少ないのですが、生き物たちの動きが感じられる季節でもあります。

こちらは以前撮影された写真ですが、雪の上にこんな跡が…。

人の顔のような形の足跡
<動物の足跡>

顔のような形の跡がいくつも。

何の動物かわかりますか?

草むらにいるノウサギ
<草むらにジッとしているノウサギ>

ノウサギです。
こんな風に姿を見ることは稀ですが、雪原にはあちこちで足跡を見ることができます。

ノウサギはキツネなどに狙われますが、後を付けられないよう方向転換をすることがあります。
足跡を追っていくと面白い発見があるかもしれません。

昨年こんなこともありました。

木の根元まで続く雪の上の迷路
<雪にいくつもの筋>

迷路のように小さな道ができています。

何だと思いますか。
木の根元の方へも続き、そこから出入りしたようです。

どうやらネズミの通った跡のようです。
雪の中を通ったネズミの動きが分かって面白いです。
ちなみに写真を撮った時、ネズミはまだこの辺りにいたようで、気配を察知してこの後脱出していました!

小さなネズミの足跡
<小さな足跡>

積雪が多いと小動物の足跡が分かりにくくなるのですが、まだ雪の少ない時期は、小動物の足跡がよく見つかります。
是非探してみてくださいね。

ニッコウキスゲ開花状況(2021年7月25日)

2021.07.25

花の盛りの季節、この連休は多くの人出がありました。
日差しは暑くても涼やかな風が吹き抜ける霧ヶ峰で、夏のひと時をみなさん楽しまれたのではないでしょうか。

ニッコウキスゲとビーナスライン

今年の車山肩の群生は花数が例年より少なくちょっと寂しいですが、車山肩から車山山頂に向かう
あたりでは群落を作っています。
ピークは少し過ぎ、見ごろは7月一杯くらいになりそうです。
ニッコウキスゲを見たい方はお早めにどうぞ。

車山肩群落ではニッコウキスゲの他にノアザミの群落も見事です。
ここまでノアザミが群落を作る光景というのも珍しいのではないでしょうか。

ニッコウキスゲとノアザミ

他にはハナチダケサシやイブキトラノオ、ツリガネニンジンやオオババギボウシなどが咲いています。
さらによく見ると、赤茶色の花をたくさんつけるシュロソウも咲いています。

ハナチダケサシ
〈ハナチダケサシ〉
ツリガネニンジン
〈ツリガネニンジン〉

コバギボウシ
〈オオバギボウシ〉
シュロソウ
〈シュロソウ〉

訪れる方はこの景色を見て、綺麗だと話されていたり写真を撮ったりしていました。
お花畑を見ていると、心が穏やかになるような気持ちがします。
一般的に、山で花が群落を作る様子を「お花畑」といいますね。
霧ヶ峰では一部試験的に植栽をしているところがありますが、他の場所は自然に咲いているものです。

ニッコウキスゲの群落

もともとは、霧ヶ峰は昔から採草地として利用され、草刈りや火入れが繰り返されて今のような景観が作られましたが、近年は二ホンジカが花や芽を食べてしまう「食害」が深刻なことから電気柵で保護しています。
さらに、草刈りをすることで花芽が出やすくなる効果があります。
この場所も草刈りを行った場所です。

さて、ビーナスラインS字カーブあたりに昨年新たに電気柵を設置した場所があります。

電気柵を設置してある草原


草刈りと電気柵の効果か、近年見られなかった草花の開花を確認できました。
昨年はニッコウキスゲの花が見られることはなかったのですが、今年は少し開花していました。
その他にはヤナギランも。
地中に埋まっていた種が発芽し成長したのでしょう。

電気柵の内側のニッコウキスゲ

人が手入れを続けることは大変ですが、続けていればこの場所も以前のような光景が広がるかもしれません。

キツネのかくれんぼ?

2021.05.26

人気の少ない夕方、八島ヶ原湿原を訪れると「コロロロコロロロ…」と心地よい
シュレーゲルアオガエルの鳴き声が聞こえてきます。

八島ヶ原湿原の八島ヶ池

心地よい音を聞きながら、歩いていると、カサコソとササが揺れて音がするのが聞こえてきました。
とその時、目の前の木陰から一匹のキツネが歩いているのが目に入りました。

キツネの姿を見たい、その姿を写真におさめたい、と日頃から思っていたのですが、出会いは突然にやってきました。

「キツネだ!」

「何か獲物をくわえてる!」

木々と岩

ドキドキしながら、姿を目で追いかけたのですが、すぐに岩陰の方へと姿を隠してしまいました。
じっと待ち、姿が見えるまで待っていたのですが…。

あれ?岩の上に何か見えます。

岩陰にキツネの耳

耳です。岩の向こうで獲物を食べているのでしょうか。
少し角度を変えて撮ってみると…。

藪の向こうからキツネがのぞく

上手に藪に姿を隠しています。
こちらの姿が見えるので、警戒してじっとしています。

キツネはネズミや小鳥、ウサギなどを捕らえますが、基本的に「追われる」方ではなく「追う」方です。
ですが、苦労して捕らえた獲物を不意に鳥などに横取りされることもあるかもしれません。
食事するのには周りの様子を気にしながら、落ち着いた場所で食べたいのでしょう。

岩陰で獲物を食べている様子

こちらはしばらくじっとしていたので、キツネは自分の身に危険は及ばないと思ったのか、岩かけでエサを食べ、さっと笹の中に消えてしまいました。

ホンドキツネは一瞬見ただけだと、犬のようにも見えますが、やはり野生動物の雰囲気を漂わせていました。
少し見えた「目」も、自然の中を生き抜くためのまなざしをしているようでした。
このキツネは、今日も霧ヶ峰のどこかを歩いているのでしょう。

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