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園地で咲くチダケサシ・ヤナギラン・マツムシソウ

2023.07.27

ニッコウキスゲの見ごろが過ぎ、花数が少なくなってきました。
車山肩のあたりでもだいぶ減ってきましたが、まだ少し咲いています。

草原に点在するニッコウキスゲ
〈車山肩から車山山頂にかけて・電気柵の中で〉

よく見るとノアザミやハナチダケサシの花もちらほらと。
ニッコウキスゲが終わってきて少し寂しいですが、ニッコウキスゲが終わりでも他の花は今が盛りです。霧ヶ峰ではこれから8月上旬にかけてが花のピーク、センター周辺でもいろいろな種類の花が咲いていて、それに集まる昆虫たちも賑やかです。

紫の花にとまる蝶
<ノアザミにとまるウラギンヒョウモン>

シシウドにコオニユリ…。様々な花が目を楽しませてくれます。

背の高い花
<シシウド>
オレンジの花
<コオニユリ>
ピンク色の花畑
<チダケサシのお花畑>

盛夏に咲く花、ヤナギランも開花し始めました。

ピンク色の丈の長い花
<ヤナギラン・第二園地の辺りで>

ヤナギランは八島湿原でも咲きはじめましたが、御射山に向かう途中の群生地では例年より多く開花しそうです。下から順番に花を咲かせる植物ですが、濃いピンク色が元気をもらえる花ですね。

このヤナギランは、管理されているスキー場や火入れをした場所によく出てくると言われています。
以前は霧ヶ峰でも様々な場所で咲いていましたが、いまはシカの食害により、防鹿柵の中でしかまとまって見られません。ちなみに、八島ヶ原湿原、センター前園地、車山肩S字カーブ付近で見られます。

マツムシソウも開花しました。

紫色の花
<マツムシソウ・第一園地辺りで>

次から次へと花咲く夏真っ盛りの霧ヶ峰です。熱中症対策をして、午後は急な雨にも注意して散策をお楽しみください。

ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月15日】

2023.07.15

霧ヶ峰で今、ニッコウキスゲが見頃です。

・車山肩…ほぼ見頃
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…見頃
・富士見台…見頃やや過ぎ
・八島ヶ原湿原…見頃
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

橙色に染まる草原
〈車山肩〉
ニッコウキスゲ保護地
<車山肩から車山山頂へ向かう途中>

霧ヶ峰でニッコウキスゲの群生が見られるのは、ニホンジカが植物を食べる食害から守るため設置した柵の中です。霧ヶ峰では現在、車山肩、富士見台、八島ヶ原湿原、自然保護センター周辺の園地等に柵が設置されています。

ニッコウキスゲ見られる場所

10年以上前は、車山山頂や蝶々深山、センター周辺もニッコウキスゲの群生が広がり、山が橙色に染まるように見えるほどでした。
以前の霧ヶ峰を知る方にとっては、寂しく見えるかもしれませんが、食害の影響を少しでも減らすため、毎年地権者の方や行政の方々が電気柵の設置を行い、八島ヶ原湿原の鋼鉄柵は毎月点検を行うことで、ニッコウキスゲをはじめとする植物を保護しています。
柵周辺では夜になると何十頭ものシカの群れが行動しています。柵の中のニッコウキスゲをはじめとする植物は、とても魅力的に見えるでしょう。
柵の段数を増やしたり二重にしたりと、試行錯誤を繰り返しながら植物を保護しています。

霧の中で咲くニッコウキスゲ
<霧の中で咲く>

夕暮れ時、霧の中ニッコウキスゲの様子を見に行ったところ、強い風に吹かれてユラユラと揺れていました。他に誰もいない中、じっと眺めていたのですが、ニッコウキスゲがまるで何か話をしているように動いて見えました。

風を受けとめて揺れる様子に、しなやかな強さも感じられます。

このニッコウキスゲですが、5~7個蕾を付け順番に咲くため、花が咲き終わるとしおれたものが増えていきます。

しおれた花が付いたニッコウキスゲ

写真を撮られる方の中には、美しく見せるために、しおれた花を手折る方がいらっしゃいます。
ですが、自然のものは自然のままにしておいてくださいね。

最後に、3連休は多くの人出が予想されますが、車山肩の駐車場が混雑している場合はセンター周辺の駐車場もご利用ください。地図はこちらに掲載しています。

センター周辺でも様々な花が開花中ですので、花を眺めながら散策できておススメです。

背丈の高い白い花
<第四園地で・シシウド>
細長い赤い花
<第四園地付近で・ヤナギラン>
まっ黄色の花
<キンバイソウ>

是非霧ヶ峰の夏を楽しんでください。

ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月10日】

2023.07.10

ニッコウキスゲの開花が進み、見頃の場所が増えてきました。

・車山肩…3~4割ほど
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…4割程
・富士見台…見頃
・八島ヶ原湿原…見頃
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

柵に囲まれたニッコウキスゲ
<車山肩>
日ざしを受ける花
<車山肩>
電気柵に囲まれた花
<園地>
黄色に染まる草原と山並み
〈富士見台〉

富士見台周辺は5月に林野火災があり、火災直後ニッコウキスゲ保護地の大半は、黒い焼け野原となっていました。火災のことをご存じない方にとっては、ここに火が入ったとは気づかないかもしれませんが、遊歩道脇のロープや電気柵の一部も焼けてしまったため、新しいものに交換しています。

また、ニッコウキスゲの中に生えているレンゲツツジの木を見ると、表面が黒いことが分かります。

ニッコウキスゲと黒い低木
<右側の低木がレンゲツツジ>

ここに火が入ったことを物語るレンゲツツジの木です。

ニッコウキスゲ自体は、枯草が焼き払われて日当たりが良くなったことで例年より開花数が多い印象です。

黄色い花と山並み

富士見台を散策されている方に、「霧ヶ峰はなぜ木が生えていないの?」と質問されました。

霧ヶ峰は江戸時代の頃には既に木々の伐採や、馬や牛など家畜の飼料として利用するための採草地として利用されてきました。
草を刈るのは鎌、草を運ぶのは荷車をひく馬や牛。
「歩いてくるのは大変だっただろうね」とおっしゃっていましたが、自動車の無い時代に霧ヶ峰に来るのは今よりずっと時間がかかったでしょう。当時、草は生活に欠かせない必需品だったため、わざわざ山を登って来るだけの価値があったのです。
昭和30年代以降は、採草地としての利用は極端に減ったため、徐々に木々は増えてきています。

草原と花々
〈富士見台より・奥は植林です〉

そんな話をしたところ、「昔の景色が目に浮かんでくる気がする」とおっしゃっていました。
風景を眺めるだけでなく、自然や歴史文化に注目すると目の前の景色が違って見えてくるかもしれません。

ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月5日】

2023.07.05

ニッコウキスゲの開花が少しずつ進んでいます。

・富士見台…3割程
・八島ヶ原湿原…2~3割程
・車山肩…1割程
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…1~2割程
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

黄色の花が埋め尽くす草原
〈富士見台〉
草原と雲海
<富士見台より・八ヶ岳と雲海>
色鮮やかな黄色の花
<ニッコウキスゲ>

富士見台では、開花数が増えていています。撮影した時は雲海が見えていたのと、涼やかな風が吹き抜けていたので、「天空のお花畑…」と思えるような景色が広がっていました。この景色を見ていたら、優しく包まれているような感覚を覚えたのですが、自然の持つ力は雄大です。

電気柵に囲まれた場所
<車山肩・電気柵内の様子>
パラパラと咲くニッコウキスゲ
<車山肩・蕾はいくつもあります>

車山肩はまだ開花数は少なめですが、蕾はいくつもあるのであと10日ほどで見頃になりそうです。

草原からは、ノビタキやホオアカ、ビンズイなど野鳥の鳴き声があちこちから聞こえてきます。
その中でも「ビィービィービィー」と聞こえるノビタキの幼鳥の鳴き声が目立ちます。近くでは親鳥の姿も。子どもたちの近くで、しっかりと見守っているようです。

ススキにとまる茶色の鳥
<ノビタキの幼鳥>
杭にとまる白と黒色の鳥
<ノビタキのオス>

動物に植物、たくさんの命があふれる季節です。是非さまざまな動植物の様子を観察してみてください。

ニッコウキスゲ開花状況【2023年7月2日】

2023.07.02

昨日までの雨風でレンゲツツジの花が落ちてしまいましたが、入れ替わるようにニッコウキスゲの花が増えてきました。

・富士見台…1割
・八島ヶ原湿原…1~2割
・車山肩…咲き始め
・霧ヶ峰自然保護センター周辺園地…咲き始め
(割合は霧ヶ峰自然保護センターで確認したものです)

なだらかな山と黄色の花
〈富士見台・7月2日撮影〉
青空と草原
<富士見台>
長く伸びた黄色の蕾
<茎も蕾も伸びてきました>

5月の火災で日が入った富士見台ですが、ニッコウキスゲはぐんぐんと成長中。
霧ヶ峰の中では見ごろになるのが早い場所で、今は一割程度ですが、あと3日ほどで一気に開花数が増えそうです。
花自体は一つの茎に6~7個ほどついていて入れ替わり立ち代わり咲くので、しばらく楽しめるかと思います。また、霧ヶ峰全体では例年通り7月中旬に見ごろとなりそうです。

草むらに黄色の花
<八島ヶ原湿原・6月30日撮影>
ニッコウキスゲ
<八島ヶ原湿原・ニッコウキスゲ>

草原全体も青々としてきて、様々な植物が草原を彩っています。
草むらからは虫たちの鳴き声も聞こえ、八島ヶ原湿原では水色が美しいトンボを見つけました。

青色のトンボ
<イトトンボの仲間です >

いよいよ夏が来るなぁとワクワクする気持ちでいっぱいです。

最後に、この夏は恒例のイベント「ナイトウォーク」の他、セイヨウタンポポなどを使った紙すきイベントも企画しました。
親子で楽しめるイベントを色々用意したので、是非ご参加をお待ちしております。
詳しくはお知らせのページをご覧ください。

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