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小さな春

2023.05.01

街中では夏日になる日が出ていますが、霧ヶ峰でも最高気温が18℃程の日があり、初夏のころの気温で驚きです。
霧ヶ峰に来られた方の中には半袖半ズボンの方もいましたが、センター周辺は標高1700m近い山の上。風が冷たく感じられることが多いため、上着があると便利です。

先日、春の霧ヶ峰を味わおうと、霧ヶ峰自然保護センターから八島ヶ原湿原まで歩いてきました。

センター前の園地ではどこからともなく「ピョピョピョ…」と早口な鳥の鳴き声がします。

ヒバリの飛翔
〈空高く舞うヒバリ〉

空高く舞い上がる、ヒバリのさえずり飛翔はこの時期ならではの光景。
霧ヶ峰の広々とした空をバックにどこまでも飛んでいきそうです。

草原と大空
〈15m位上昇していました〉

歩いていると、地面から湧き立つほのかな熱気と共に乾いた土や草の香りが、ふと、してきました。
この香りを嗅ぐと、山に春が来たことを感じるのですが、
自然の中を歩いていると五感が研ぎ澄まされていろいろなものが感じられます。

林の中では、木々の間から差し込む日差しを受けて、小さな花々が開花していました。
センター近くの林ではタチツボスミレ、ゴマ石山~沢渡の林の中ではヒメイチゲ。

タチツボスミレ
<タチツボスミレ>
岩の陰で咲くヒメイチゲ
<ヒメイチゲ>

上の写真の中で、どこに咲いているか探してみてください。

ヒメイチゲと一円玉
<一円玉を置いてみました>

ヒメイチゲは蕾がほんのりピンクで、この姿も可憐です。

ヒメイチゲ蕾
<ヒメイチゲの蕾>

この日は他にこんな植物を見つけました。

キジムシロ
<キジムシロ>
サクラスミレ
<サクラスミレ>

地面から4~5センチ以内の高さで展開している小さな植物たち。
小さくても成長している植物たちの姿を見ると生命力を感じます。
是非、足元にも目を向けて歩いてみてください。

最後に、ゴールデンウィーク中は駐車場の混雑が予想されます。
車山肩や八島湿原駐車場に停められなかった場合は、霧ヶ峰自然保護センター付近の駐車場もご利用ください。

地図はこちらです。

ちなみに、今回歩いたコースでは帰りにバスを利用しました。
バスについては「お知らせ」のページに載せているので、バスをご利用の方はこちらをご覧ください。

車山積雪状況・雪の結晶

2023.01.28

例年に比べ少ない積雪ですが、昨日夜から朝にかけて10~20センチ程積雪がありました。
降雪直後、休日の車山周辺には多くの人が足を運んでいました。

車山へむかう登山者たち
<車山山頂へ向かう登山者>
車山湿原の入り口
〈車山湿原の入り口〉

気温は朝9時(センター前)で約−11℃。
太陽は時折出ていましたが、もこもことした暗い雪雲が次々と流れていました。風が吹くと体感温度がぐっと下がるような気象状況でした。

車山山頂と丸い形の大きな雲
<気象レーダードームのある車山山頂>

木々を纏う霧氷は、太陽が時折現れ日が差すと白く輝いていました。
木々の上についた雪は、風で舞い上がり雪煙に…。風が強そうです。

木の枝が白くなる霧氷
<車山北側斜面の霧氷>

雪と言えば、先日、美しい雪の結晶を見つけました。
はらはらと舞う雪が、車のシートに落ちていったのですが、よく見ると、はっきりとした6角形の雪の結晶がたくさん!

黒い布の上に落ちた白い雪の結晶
<雪の結晶>

同じ形のものはないと言われるように、じっくり見ると少しずつ形が違い、夢中になって眺めてしまいました。

雪の結晶
<ビーズのような形の結晶>
雪の結晶
<いろんな形が楽しげです>

溶けていって消えてしまう儚いイメージの結晶ですが、雪の表面をすくってみると綺麗な形の結晶がたくさん残っていました。気温の低い霧ヶ峰ならではかもしれません。

舞い落ちるような雪もあれば、ブリザードと言いたくなるような、強風によって雪が巻き上がる現象もあります。

雪の世界は綺麗なばかりではなく、時には恐ろしさも感じます。
地吹雪によって、周りの景色が一瞬で見えなくなるホワイトアウトは霧ヶ峰(特に車山肩周辺)ではよく起こります。運転時や歩いている時も、周囲の様子に注意を払う必要があります。


さて、今回のブログには冬のヒット曲にちなんだ言葉をちりばめてみました(80年代、90年代、2022年)。雪の世界は表情豊かで良い題材にあふれていますね。

冬の霧ヶ峰にも、感性が刺激される自然がたくさんあります。そんな自然を体感すると、きっと新鮮な感動に出会えるはずです。
安全に気を付けながら楽しんでください。

空からの贈り物

2022.12.14

いよいよ冬がやってきました。
12月13~14日にかけての積雪は8~10cm程。また14日朝の最低気温は-5.5℃(センター前)でした。

歩道と草原に雪
〈センター前の園地〉

辺り一面白い雪の世界を見ると、冬の始まりを感じてわくわく…。
どの季節もすばらしい霧ヶ峰ですが、個人的には、あっという間に景色が一変する冬が一番わくわくします。
また、冬らしい寒さを体験できるのもこの時期ならではですね。この日の気温はまだ暖かい方で、この先真冬になると最低気温が-20℃を下回ることもあります。

霧ヶ峰には、モミやツガ、ドイツトウヒなどの針葉樹が生えているのですが、雪景色になるとサンタクロースやそりを引くトナカイが住んでいそうな景色です。

木々に雪が被る
<雪に覆われる木々>

間もなくやってくるクリスマスにピッタリですね。木の下には、こんな小鳥もいました。

木にとまる小鳥
〈木に止まる小鳥〉

エナガです。
北海道では亜種のシマエナガが生息し、眉班(目の上の黒い部分)が無いため真っ白で、アイドル的なかわいさと人気ですが、こちらのエナガもとっても可愛いです。
木に止まって雪をついばんで水を得ているのでしょうか。
「じゅりりりり…」という鳴き声が特徴なので、聞こえてきたら近くを探してみてください。

さて、クリスマスと言えば、センター近くにある霧ヶ峰スキー場のオープン予定日が、2022年12月24日(土)。

スキー場
〈霧ヶ峰周辺にはスキー場がいくつも。写真は霧ヶ峰スキー場。〉

今回の雪で少し積もりましたが、これからますます雪が増えることに期待です。
霧ヶ峰スキー場は初・中級者向けで、駐車場が目の前にあるのでファミリーに利用されることが多いゲレンデです。そりなどで遊べる場所もあるので、クリスマスは家族揃って霧ヶ峰で過ごすのもおススメです。

空からの贈り物は雪だけでなくこんな光景も。

ハロ
<センター前で撮影>

太陽を中心にいくつもの光が取り囲む不思議な光景。
円を描いている光はハロと呼ばれる虹の一種で、空気中の氷の粒に太陽の光が屈折しておこる現象です。

ハロの説明

太陽を横切るラインが「幻日環」。それが「内暈」と重なり合うように光る部分が「幻日」です。
内暈の上部にはアークが接しています。
ハロを目にすることはありますが、こちらはなかなか珍しい現象です。

厳しい寒さがやってくる冬は、ダイヤモンドダストなどの美しい現象を目にすることもあります。
こんな光景を目にすることができたらラッキーですね。

最後に、霧ヶ峰周辺道路は除雪されますが、現在(12月14日)は凍結・圧雪状態です。
滑りやすく、風が強い時は吹き溜まりができ、舞い上がった雪で一瞬ホワイトアウトにもなります。

十分に気をつけて安全運転でお願いします。

令和4年度もありがとうございました

2022.11.17

木々は葉を落として草原全体は枯草色、曇り空は冬を思わせる、そんな景色の霧ヶ峰です。
昨日朝に降雪が少しあったのですが、直ぐに溶けて無くなりました。

茶色い草原と雪をかぶった山
〈草原と冠雪した八ヶ岳〉

本格的な冬を迎える前のこの季節、霧ヶ峰自然保護センターは11月15日で今季の営業を終了しました。
リニューアルした今年度は多くのお客様にお越しいただきました。

センター外観
<センター外観>
テラス
<テラス>

新設したテラスで休憩される方、体験型の展示を楽しんでいたご家族の方、センター手作りの塗り絵を塗って手渡してくれたお子さん、霧ヶ峰の自然について様々な質問や意見をいただいた方。

センターを利用していただいた皆様、本当にありがとうございました。

私たちは自然を大切にする気持ちとともに、「人」も大切にしたいと考え日々業務を行っています。
これは今回リニューアルした展示にも言えることなのですが、ここで新しくなった展示について少し紹介します。

センターは1973年、今から50年程前のビーナスライン開通後に開館しました。
開館当初から地形模型やパネルなどの展示はありましたが、当時の写真を見ると、現在は多数収蔵している動物のはく製が写っていませんでした。

センター内部
<開館当初のセンター館内>

年数とともに、哺乳動物や鳥類のはく製は少しづつ増え、キツネについては改修前に7体ほど展示していました。

改修にあたり過去の資料を調べてみると、あるキツネはセンターの近くで倒れ亡くなっていた個体(おそらく交通事故)を展示として活かすため、はく製にした旨が記されていました。
また、霧ヶ峰の草原に生きるキツネを、「霧ヶ峰について語る主役として使いたい」という職員の考えも別の資料に記載されていました。

キツネは状態が良く、かつての職員の思いが感じられた上記のキツネも展示用に選びました。
またキツネは、野生界では捕食者であり、かつ人間の生活に近いところでも生活しています。
そこで、人との関りについて伝える展示として別のキツネを使用しました。

キツネのはく製
<雑食のキツネは鳥なども捕食する>
キツネのはく製
<霧ヶ峰の草原に生きるキツネ>
キツネのはく製
<人が落とした物を口に入れることも>

他にも職員やボランティアの方が手作りした展示が好評だったので、できる限り展示しました。
関わった人たちの思いを無駄にしたくないと思ったからです。

展示全般的には、目線が高く読みづらかった文章の位置を下げる、振り仮名を振る、主要な文は英語表記を併用する等、配慮しました。
また、人によっては文字が読みづらい場合があるため、文字と背景の色のコントラストにも注意しました。

館内展示
<館内の展示>
展示パネル
<展示パネル>

霧ヶ峰のことを知りたいと思う全ての方が、きちんと情報を得ることができるようになっていれば幸いです。

センターは来年4月15日に開館予定です。
しばらくお休みに入りますが、来年度も皆様のお越しをお待ちしています。

初雪

2022.10.29

10月24日、25日の早朝に雪が降りました。

薄っすらと木々に付いた雪
〈園地の樹叢〉

薄っすらと積もった程度で直ぐに溶けましたが、近年霧ヶ峰で初雪を観測するのは11月頃。
いつもより早い冬の訪れにビックリです。

日中も気温が上がらない日が多いのですが、ここ6日間の気温は以下の通りです。

最高気温最低気温
24日13.2℃0.7℃
25日4.5℃-1.3℃
26日2.2℃-2.5℃
27日8.0℃-4.0℃
28日9.0℃1.2℃
29日11.0℃-0.5℃

霧ヶ峰にお越しの際はダウンジャケットや帽子、手袋など冬の仕度がおすすめです。
また、天候によってはスタッドレスタイヤやチェーンが必要になる場合があるのでご注意ください。

氷点下の日が増えてきましたが、そんな日に現れるのが霜柱。

霜柱
<センター前にできていた霜柱>

この日見た霜柱は、見た目は飴細工のように白く繊細で、触るとパキっと割れて触り心地も飴のようでした。
花々も広葉樹の落葉も終わり、残すはカラマツの黄葉を残すのみで、見どころが少ないように思われるこの季節。
ですが思わぬ雪景色や美しい霜柱などを見ると、冬の訪れを感じワクワクします。
自然はいつも贈り物をくれる、そんな気分にさせてくれます。

さて、真っ白になった富士山の他、北アルプスなどの高山にも雪が付いています。

富士山
<センターテラスから撮影した富士山>
北アルプス
<霧鐘塔から撮影した北アルプス>

澄んだ空気の日は、遠くの山々がいつもより近く見えるように感じます。
この時期は遠くの景色を眺めるのも楽しみのひとつです。
山の手前、霧ヶ峰の草原は一面のススキ原…。

このススキの中に鳥の姿を見つけました。

ノビタキ
<ノビタキ>

霧ヶ峰でおなじみの鳥、ノビタキは渡り鳥。すでに移動している個体もいますが、こんな風に出会えると嬉しいですね。

最後に、霧ヶ峰自然保護センターは毎年11月15日までの開館で、16日から翌年4月14日まで冬期休館となります。
今年度リニューアルしたセンターは、展示パネルや映像などが新しくなり、テラスも新設されました。
まだ来られていない方は是非、休館前にお立ち寄りください。

【コース紹介】車山湿原~男女倉山~八島湿原

2022.10.02

10月はじまりの土日は快晴。湿度が低くカラッとしていて空気が澄み高い山々が良く見えます。

青空と山々と草原
〈樺の丘から見た八ヶ岳〉

昨日は、車山肩~車山乗越~北の耳~男女倉山(ゼブラ山)~八島湿原~車山肩を歩いてきました。
秋晴れの中歩くのは気持ちよく、汗をかいても少し冷たい風が乾かしてくれます。
秋は登山するのに良い季節ですね。

出発地点である車山肩からは、車山と蝶々深山に挟まれた車山湿原が見渡せます。

なだらかな山と湿原

全体的にベージュ色に染まっていました。

ベージュと茶色に染まる湿原
<車山湿原>

湿原の周りは木道が整備されていて歩きやすいため、多くの登山者の方とすれ違いました。
ですが、車山乗越(のっこし)から北の耳へ向かう道へ入ると、一挙に歩く人が少なくなります。
このコースを歩くには最低でも4時間近くかかり、途中わずかですが急な斜面もあるため、登山靴や雨具の持参など登山の装備で歩くことをお勧めします。

地図はこちらから→霧ヶ峰散策マップ

こちらのコースの楽しみは、壮大な景観。
北の耳あたりで車山方面を振り返ると広々とした霧ヶ峰の景色に感動するはずです。

広々とした草原景観
<北の耳手前から車山を見る>

まるで日本ではなく外国のトレイルのよう。
(私は歩いたことがありませんが笑)

草原景観を楽しみながら歩いていると、足元からバサバサと音を立てて飛び出してくるものが…。

低木にとまる鳥

ホオアカでした。この個体は目の周りの白いラインがくっきりしていて印象的でした。
そろそろ渡りの季節のため、こうして出会えるのもあとわずかかもしれません。

銀色に輝く山肌
<銀色に輝く山肌>

北の耳を下ったところで八島湿原の方を見下ろすと一面が銀色!
どこまでも果てしなく続くススキの煌めきに驚いてしばらく眺めていましたが、景色を独り占めしたような気分になります。

緩やかなアップダウンを繰り返しながら進み、男女倉山から八島湿原へと下りてくると、こちらも草紅葉が見ごろとなっていました。
車山湿原と比べると全体的に深みのある橙色をしています。

橙色に色づくシダ植物
ススキと湿原

穏やかな気候の中、明るいススキの穂や紅葉を眺めているとのんびりとした気持ちになりますね。

最後に、秋に歩く際の注意点は夏と比べて日が落ちるのが早いことです。
10月初頭の場合、日の入りは17時半くらいで16時過ぎには気温が一気に低くなります。
計画的にコースを決めて歩きつつ、秋真っ盛りの霧ヶ峰を楽しんでみてください。

踊場湿原の草紅葉

2022.09.22

一雨ごとに秋が深まっています。
9月22日朝9時の気温は15℃、昨日から今朝までの最低気温は9℃でした。
朝晩は特に冷え込み肌寒いです。

ススキとオレンジに色づく草紅葉
〈踊場湿原〉

霧ヶ峰では草が色づく草紅葉が見ごろになってきました。
踊場湿原ではパッチワークのように様々な色がちりばめられていてひとつの大きな作品のよう。

池と草紅葉
<アシクラの池周辺>
湿原が橙、黄色に染まる
<湿原中央>

黄葉している植物は間もなく枯れる運命にありますが、多年草(ふつう2回以上開花・結実する)の植物の場合、地上部分が枯れても根は生きていて、地下で次の春を待ちます。
また一年草は発芽後一年以内に枯れますが、その間に開花し種を付け、次の世代に繋げます。

薄茶色の種を付けたシシウド
<シシウドは多年草ですが、花を咲かせ実をつけるのは一度きり>

植物はそれぞれのサイクルで生命をつないでいます。

枯れるのは終わりではなく、はじまりと言えるかもしれません。

さて、踊場湿原の周辺はぐるっと一周散策することができます。
八島湿原や車山湿原と違って、湿原の周りにススキ原が広がっているのが特徴です。

曇り空の踊場湿原
<ススキが広がる踊場湿原>

このススキですが、秋に注意してほしいのはこれです。

ススキの葉がちまきのように巻かれていて面白い形なのですが、これには絶対触れないでください。
この中にはカバキコマチグモという毒グモが営巣しています。

ススキ
<ススキの葉を利用し営巣します>

触ると皮膚が腫れひどい痛みが出るそうなので、触れないよう注意してください。
探して見つけられると面白くもありますが…。

さらにススキが生える足元には、ウメバチソウハナイカリなどかわいらしい花々が咲いていました。

五枚の花弁の白いウメバチソウ
<ウメバチソウ:撮影9月22日>
トゲトゲした形の小さな花をたくさんつけるハナ
<ハナイカリ:撮影9月22日>

この連休は天候が雨や曇りの予報ですが、曇りや雨の日の景色は晴れの日とは違った景色を味わえます。

ススキひとつとっても、天候によって銀色(晴れ)、黄金色(曇り)、黒(雨や霧)とその時によって見え方が違うのが不思議です。

防寒対策をして、是非秋の深まる霧ヶ峰を歩いてみてください。

秋風にゆれるススキと花々

2022.08.28

吹き抜ける風が少し冷たく感じられるようになってきました。
また、草原を彩っていた花々は秋の草花に入れ替わっています。

ゴマナ
<ゴマナ>
細い茎に紫色の蕾
<ヤマラッキョウの蕾>

園地ではアキノキリンソウがまとまって咲いていて、茎の先に集まった小さな黄色い花々が鮮やかです。

黄色と赤紫の花
<黄色いアキノキリンソウと赤紫色のマルバハギ>

他にはツクバトリカブトの紫色も草原で目立ちます。

ツクバトリカブト
<園地に咲くツクバトリカブト>

さて、センター周辺は今ススキが一面に広がっています。

一面に広がるススキ原
<風になびくススキ>

皆さんはススキの花を見たことがあるでしょうか。

ススキの穂に黄色いものがついている
<ススキ>

近寄ってよく見ると穂にクリーム色の小さな粒がぶら下がっています。
この部分が雄しべです。
ふわふわの綿毛の印象が強いススキですが、かわいらしい花の姿も是非見てみてください。

このススキは、人々が古来から利用してきた植物です。
何に使ったかといえば、別名の「カヤ」と言えば想像がつくでしょうか。
ススキは茅葺屋根の材料などに使われ、刈るための場所は茅場と呼ばれ利用されてきました。

先日ボランティアの方から、「子供の頃に親がススキ刈りをするのに一緒に来た」というお話を伺いました。
霧ヶ峰は地元の人たちにとっては生活の場でもあったのです。

ススキの穂
<ススキの穂>

古くからススキを利用してきた歴史からか、自分自身が子どもの頃から見慣れた植物だからか分かりませんが、ススキ原を見ていると懐かしい気持ちになります。

これから穂が開き、9~10月には一面が銀色に輝きキラキラと美しいです。
人出の少ない時期、ゆっくり景色を楽しんでみてください。

車山肩の霧氷

2021.11.16

霧ヶ峰自然保護センターは、11月16日より冬期休館に入りました。
今年度は、新型コロナウィルス感染症対策のため幾度も臨時休館があり、ご不便をおかけしましたが、多くの皆様にご来館いただきありがとうございました。
霧ヶ峰自然保護センターは現在改修工事中です。
来年春には、新たなセンターで皆さんをお出迎えしますので、どうぞお楽しみに。

さて、11月に入り少し積雪がある日がありました。

遊歩道に積雪
〈車山肩〉

先日11月13日朝の車山肩の様子です。
足元はうっすらとですがサラサラの雪が積もっていました。
また周辺では、草木に霧氷が見られました。

枝先に付く霧氷
白い木
霧氷のアップ

葉を落とした後は少し寂し気な景色ですが、真っ白の木々は太陽の光でキラキラと輝き、この時期ならではの素晴らしい景色でした。
枝も草木の葉も今までとは全く違った装いです。

針葉樹の霧氷と山並み
<奥は車山湿原脇の樹叢・蓼科山>
白く輝くススキ
<ススキにも霧氷>


北アルプスなど遠くの山々は既に冠雪していますが、空気が澄んだ冬はよく見えます。

八島湿原と北アルプス
<車山肩から見た八島湿原の方向>
地面に積もった荒い粒の雪>
<足元の雪>

この時期は、溶けた霜や雪などで登山道がぬかるみやすくなっています。
防水の靴やスパッツなど、足元の対策もあったほうがいいかもしれません。

冬の霧ヶ峰の情報は、当センターHP内のお知らせや、他のページでも紹介していますので、お越しになる方はそちらもぜひお読みください。

  • お知らせ

冬季の道路通行止め、路線バス、使用可能なトイレについて – 霧ヶ峰自然保護センター(ビジターセンター) (kirigamine-vc.jp)

  • 冬の霧ヶ峰

冬の霧ヶ峰 – 霧ヶ峰自然保護センター(ビジターセンター) (kirigamine-vc.jp)

冬の気配

2021.11.06

今日午前11時の気温は8度ほどで、昨日の夜から朝にかけての最低気温は氷点下でした。
手袋をしないで外に出たところ、失敗!手がかじかんでしまいました。

そこまで風は強くなかったのですが、ススキが風に揺れる音が、より一層寒さを引き立てているようです。

ススキ原
〈園地のススキ〉

私が歩いた時、夏鳥のノビタキやホオアカの姿はありませんでした。
すでも、渡りのために移動している個体もいる頃です。
今まで聞こえていたさえずりが聞こえなくなると恋しくなりますね。

林と落ち葉
<園地の樹叢>

園地の樹叢に生えているミズナラは落葉しているものが多く、秋が終わるさみしさを感じます。
ですが、林に入ってみると、まだ落ちていない葉に日が当たって輝いていて、温かみを感じました。
また、木々が風を遮るため、そこまで寒くありありません。

オレンジ色のミズナラの葉
<ミズナラの紅葉>

センター裏に生えている落葉針葉樹のカラマツ。
葉がハラハラと落ちていますが、橙色のような温かい色合いです。

青空とカラマツの木
<センター裏のカラマツ>

さて、林の近くのレンゲツツジには、朱色のつぼみ…?

枝先に付く赤い芽
<レンゲツツジの枝先>

今から花を咲かせるわけではありません。これは冬芽で、来年に向けて準備をしているところです。
葉を落とした後、枝先につく赤い冬芽。

植物の命を感じます。

レンゲツツジには冬芽以外に、こんなものがついていました。

枝の先につく実

実です。
レンゲツツジの実はあまり見られないので(なぜでしょう?)、こんな実を付けていたことを知りませんでした。
種が気になって、さやの中をのぞいてみたのですが、薄茶色の薄い種がいくつも入っていました。

もうすぐ冬に入ろうという時期ですが、こんな時期でも植物たちはちゃんと生きています。

最後になりますが、霧ヶ峰自然保護センターの現在の様子です。

建設資材に囲まれたセンター
<改修中の霧ヶ峰自然保護センター>

改修工事のために囲われていますが、開館中です。
今年度も11月15日まで開館していますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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