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ノビタキとジョウビタキ

2024.04.26

明日から連休がはじまります。「涼しい霧ヶ峰に避暑に行こうかな」という方もいらっしゃるかもしれません。他県では真夏日を記録しているところがあり、長野県内でも夏日を記録。4月とは思えない気候です。

霧ヶ峰はどんな様子かというと、日差しが強く暑く感じることもあれば、霧が出ているときは長袖でも寒い日があります。
5日間の気温をまとめてみました。

日付最高気温最低気温
4月21日17.8℃9.0℃
4月22日12.2℃7.5℃
4月23日11.2℃8.2℃
4月25日11.5℃6.2℃
4月26日17.1℃1.0℃

昨日から今朝にかけて寒暖差が大きく、最低気温は1℃でした。
街中で半袖の日でも、霧ヶ峰では長袖や上着が一枚あるとよいかと思います。

青空と広々とした草原の中にある木道を歩く人
〈車山湿原〉

汗ばむ陽気でも、吹き抜ける風はとても気持ちがよくて、この景色の中に身を置くと何とも言えない開放感を感じます。

草原ではあちこちでノビタキがさえずっています。
良い鳴き声だな~と聞きほれていたらすぐ近くにいるのを見つけました!

黒と白、お腹が茶色の小鳥
<ノビタキのオス>
高い木に止まる鳥と山並み
<木の上にとまっていました>

撮影場所は自然保護センター近くの園地の入り口です。
霧ヶ峰は開けた場所が多いので、比較的よく目にする鳥です。是非探してみてください。

ここ数年は同じくヒタキ科のこちらの鳥を頻繁に見かけるようになりました。

茶色くて尾がオレンジの小鳥
<ジョウビタキのメス>

ジョウビタキです。本来冬鳥で中国などで繁殖するのですが、ここ10年程の間で長野県内でも繁殖が確認されています。
霧ヶ峰では4~5年前から繁殖しているようで、センター周辺でもよく見かけるようになりました。

ジョウビタキは廃屋や人が住んでいる家屋に巣を作る事があり、先日センターの周辺でもこんな場所で目にしました。

エアコンのダクトの近くにいる小鳥
<ダクトの上にいる鳥>

エアコンの室外機の裏です。
度々稼働するのが良くなかったのかしばらくするとどこかへ移動していました。

ノビタキが巣を作るのは草原の茂みの中で、基本的に人との距離を保ち行動するのですが、昨年はセンターの建物の窓枠に張り付いたり軒下にいたりと不思議な光景を目にしました。

窓に張り付く小鳥
<窓に張り付くノビタキのメス>

ジョウビタキとノビタキの縄張り争いと思われる行動でしたが、ノビタキが「こんなところに来るなんて…」と不思議でした。

茶色くて胸が橙色の小鳥
<ノビタキのメス>

車やバイクがビュンビュンと走るそのすぐ脇でも野生動物は日々途切れなく生活しています。
是非ドライブだけでなく、車から降りて自然の中で生き抜く者たちの姿にも触れてみてください。

私は日々霧ヶ峰で過ごしていると、私たち人間も同じ生きもの、仲間という感覚が湧いてきます。

動物たちにとって自分はどう思われているかは分かりませんが、聞けるなら聞いてみたいところです。

ワタリドリ

2024.04.09

3月に何度も降った雪はあっという間に雨や日差しによって溶けてきていますが、登山道の所々にまだ白い塊が点在しています。
先日終了したスキー場は雪が残っていました。普段はスキーヤ―・スノーボーダーが滑るコースの真ん中を歩くのは面白かったです。

スキー場の雪と遠くの山々
<車山スキー場の上部>

車山湿原では雪解け後にいち早く姿を現すザゼンソウが姿を表していました。

赤い帽子のような形のザゼンソウ
<車山湿原西側で見つけたザゼンソウ>

新年度は進学や転勤などで移動される方が多いですが、鳥たちにとっても今は移動の時期。
霧ヶ峰では夏鳥と呼ばれる渡り鳥ノビタキが戻ってきました。

杭にとまるノビタキ
<上面が茶色っぽくまだ冬羽の名残があります>

今年はちょうど、準備のためセンターに来た4月1日に確認しました。
必ず春に戻ってくるとはいえ、久しぶりの再会に嬉しくなります。

他には、ヒバリ、ウグイス、キレンジャク、トビ、カケス、アカゲラ、エナガなどを確認しています。

冬を振り返ると、今年は珍しい鳥に出会いました。

白い体で翼の先が黒い鳥
<2月初旬に撮影>

初めに確認したのは2月初旬。例年に比べて雪が少なく草地のベージュ色が目立っていましたが、その中で、白さが際立つ猛禽類に遭遇しました。
地を這うように滑らかに飛ぶ姿に目を奪われました。

ハイイロチュウヒ
<頭部から尾羽は明るい灰色>

ハイイロチュウヒでした。
ヨシ原で越冬する冬鳥で、全国に飛来しますが場所や数は一定ではないようです。霧ヶ峰ではめったに見られない鳥です。

草地のネズミを探しているのでしょうか。
狙いを定めるように下を向きながら飛び回っていました。

さてこちらは…?

木に止まるふっくらとした鳥
<細いカラマツの木の上に>
頭から胸にかけて白くお腹の辺りは茶色い
<器用にとまる、もこっとした鳥>

こちらは冬鳥のケアシノスリでした。腹部の色合い(褐色)から若鳥と思われます。
ある時は木の上、またある時は看板の上でジッとしていたかとえば、カラスやチョウゲンボウに追いかけられている姿も目にしましたが、積雪の多かった3月以降は目にしなくなりました。

旨に細かな斑点模様
<チョウゲンボウ>

この冬はいろいろな猛禽類が飛び回り賑やかでした。
雪が少なくてネズミなどの獲物がとりやすかったことも影響しているかもしれません。

気候の変化は鳥たちの行動にも変化をもたらしているのでしょう。

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