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樹叢(じゅそう)の魅力と植物たち

2025.08.29

こんにちは。霧ヶ峰自然保護センターでインターンシップをしている吉田といいます。私は学校で日本の自然について学んでいます。ビジターセンターでの業務に興味を持ち、地元・長野での就職を希望していることもあり、こちらでインターンを受けることにしました。

今回のブログは私が担当します。

霧ヶ峰には、鎌倉時代から採草地として利用されてきた歴史があり、見渡すかぎり草原が広がっています。その周辺に見られる林も、人が手を加えた人工林がほとんどです。
しかし、採草に不向きであったり、沢沿いで野火を免れてきた場所では、原生的な林が残っています。こういった場所を"樹叢"と呼びます。

苔むした岩が点在する森
〈苔むした岩が点在する樹叢〉

樹叢の林床では、人工的なカラマツ林などとは違った植物を見ることができます。
今回はその一部をご紹介します!

四枚の葉
〈この葉は…?〉

こちらはゴゼンタチバナです。
4枚葉のものは花がつかず、6枚葉のものでは白い花が咲きます。
湿ったところが好きらしく、こちらの樹叢の入り口でお出迎えしてくれました。

白い花が咲いているゴゼンタチバナ
〈ゴゼンタチバナの花。この写真は7月上旬に撮影。〉

亜高山帯に生育するツルツゲ
その名前の通り、地面をはって伸びます。

葉が細く地面を這う植物
〈ツルツゲ〉

コケにまぎれていたこちらはマンネンスギ

小さな木のような姿のシダ
〈マンネンスギ〉

スギの苗?と思いきや、れっきとしたシダの仲間。
見過ごしてしまいそうですが、ぜひ宝探し感覚で探してみてください!

こちらはサワラ
良い香りでお馴染み"ヒノキ"の仲間です。

サワラの木
〈サワラ〉

下のように葉っぱを裏返すと…

サワラの裏面
〈サワラの葉の裏〉

白い蝶々が縦に並んだように見えませんか?

コメツガは短めの葉が密集して並んでいます。

サワラ
〈コメツガ〉

裏返すと、細い二重の白線が入っていますね。
この写真では背丈がまだ小さいのですが、成長すると高木になります。

コメツガの裏面
〈コメツガの葉の裏〉

霧ヶ峰の多くは人の手が入ってできた草原ですが、そこでは人と自然のつながりの中で、貴重な生態系がはぐくまれてきました。そして、樹叢では霧ヶ峰本来の森林植生を見ることができます。

今回紹介した場所は、霧ヶ峰自然保護センターからゴマ石山を経由して、沢渡に行く途中にあります。是非ハイキングしながら、草原と樹叢の違いを比べてみてください。

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